屋台のDNA (五)
来月,東京の現住所を引き払って空き家にしている自宅に舞い戻るのだが,その前に薄汚れた壁紙をDIYで塗っておこうと思って,昨日,留守宅に出かけた.
最寄りのJR藤沢駅を降りたのがちょうど昼飯時だったので,改札口を出たところにある「さがみ茶屋藤沢店」に入った.「さがみ茶屋」は NRE 日本レストランエンタプライズが経営する「椅子席で食べる立食い蕎麦屋」である.
リンク先の画像をみるとわかるように,ここは全席が椅子席である.席数約三十の堂々たる店構え.しかも券売機で食券を買って椅子に腰かけると店員のおばさん (推定年齢四十三歳) が間髪入れずにやってきて食券を手に取り,「お蕎麦ですかうどんですか」と注文を聞き (註*),できあがった蕎麦を席まで配膳してくれた.
このようにセルフサービスではないにもかかわらず,この店は普通の蕎麦屋ではなく,プラットホーム階段裏で営業する大船軒と並んで,屋台蕎麦屋の遺伝子を現代に伝える立食い蕎麦屋の一軒なのである.
なぜか.答えはCM2のあとで.違います.
一般財団法人日本駅蕎麦学会編『世界の立食い蕎麦』によれば,純蕎麦屋と立食い蕎麦屋の識別・分類は,以下の二点で行われる.
(1) 蕎麦つゆ
(2) トッピング
なおここでは正統的な普通の蕎麦屋を純蕎麦屋,屋台系統の蕎麦屋を立食い蕎麦屋と称する.喫茶店に純喫茶とメイド喫茶があるのと同じである.違うっ.
どこが違うのか.オオカミとフクロオオカミとで違いがあるのと似ている.違うってば.
(註*) 余談だが,一年前には,注文を受けた店員 (推定年齢三十七歳) が,かわいらしい声で「竹輪天蕎麦いただきましたあ~」と,居酒屋日本語で厨房に伝えていた.「私はあなたに竹輪天ぷら蕎麦をあげた覚えはない.正しくは『竹輪天蕎麦の注文をいただきました~』であろうが」と思ったものだが,声がかわいかったので許した.しかし今回のおばさん (推定年齢四十三歳) 店員は「ちくてんそ~」と言っていた.日本語の使い方マニュアルに改訂があったもようである.
(続く)
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