減塩食 (五)
これまで三回に分けて,去る六月の入院中に私が食べた病院食を紹介した.
一覧してわかるように,一食あたりの食塩量が 2g 以下の理想的な献立には味噌汁がつかない.理由は味噌汁の食塩含有量が高いことにある.
ネットで調べると,一般的に外食店で提供される味噌汁の食塩量は,一杯あたり 1.4g~2.0g ではないかと思われる.
普通の味噌汁一杯に 2g の食塩は,かなり塩辛くて,私あたりには飲めたものではない.これはおそらく豚汁に使うような大ぶりの椀に盛った味噌汁ではないかと思う.並の食塩濃度でも量が多ければ食塩量も増えてしまう理屈である.
味噌を減らして食塩量の少ない味噌汁であっても,これを献立の一品にすると,これだけで 1.4g になってしまう.
栄養士としては,他のおかずの調味に使える食塩が足りなくなってしまうので,一食の食塩 2g 以下で味噌汁付きの献立を作成するのはなかなか大変であろう.
これが一食の食塩 2g ~ 3.3g でよいとなれば,献立を考えるのはかなり楽になって,連載第二回に挙げたように,味噌汁をつけることができるようになる.
さて冒頭に家庭や外食店で調理した味噌汁の食塩量は,一杯あたり 1.4g~2.0g とされているが,加工食品のインスタント味噌汁はどうか.
インスタント味噌汁の歴史は古く,最初に永谷園が1974年に発売した.これは造粒した乾燥味噌にほんの少しの凍結乾燥ネギ等を実(具)として加えた,いかにもお手軽なインスタント食品であった.
しかしその後,旭松食品が1981年に生味噌タイプの商品を開発して大きく食味風味を改善し,現在では生味噌タイプのものが主流である.
他には「大きくカットした凍結乾燥野菜+生味噌」の具だくさんタイプの製品や,味噌と実を一つにして凍結乾燥したものなどがある.
数多いインスタント味噌汁の食塩含有量はとても調べきれるものではないが,ざっとみたところ一杯約 1.6g の商品が多いようである.そして「20% 減塩」をうたうと一杯 1.4g になる.連載第一回に挙げた永谷園の『おみそ汁の大革命 野菜いきいき その2 減塩』がこれである.
(続く)
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