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2014年9月 8日 (月)

視覚障碍者用のウェアラブル技術

 一週間ほど前の話であるが,タレントのデヴィ夫人がメルマガに,盲導犬は動物虐待だと書いて物議を醸した.(9/1)
 これはその前に起きた事件で,さいたま市在住の全盲の男性が飼っている盲導犬が,外出中に何者かに傷つけられたということがあったのだが,この事件に触発されて書いた記事である.
 デヴィ夫人は,この事件の犯人を「心無い人間を許せません」としつつも,盲導犬という犬のあり方自体が犬に対する虐待だと言っている.

 このデヴィ夫人の意見に対して,ネット掲示板では賛否両論である.(デヴィ夫人のブログには賛成論が多数書き込まれているが)
 私自身もそうだが,視覚障碍者と盲導犬の実際の生活を自分の眼で見てよく理解している人はごく少数である.盲導犬の絶対数からして,そう推定される.
 従って賛否いずれも,確たる根拠に欠ける発言だと考えられる.
 であるからして,デヴィ夫人の意見に対してかなり同意しつつ (飼い主が盲導犬を「ちゃんと叱る」行為について,この事件の当事者である全盲の男性の発言 [女性セブン2014年9月18日号]に納得できないものがあるためである) 私の意見は保留するが,ただ一点,彼女が,白いステッキを音が鳴るように改造するなどして視覚障碍者が盲導犬を必要としないで済むように出来ないものでしょうか,と提言しているのは傾聴に値すると考える.

 というのは,デヴィ夫人のブログには,読者たちが「ロボットでなんとかならないか」と書いているが,実はこの騒動のすぐ前 (8月) に,視覚障碍者用の新技術が開発されたという報道がなされていたのである.
 詳しくはネット上のニュースを「スマートシューズ」または「Lechal」で検索してもよいが,週刊アスキー誌の山崎浩一の連載コラム『今週のデジゴト』に「第459回 インドからの新技術」というタイトルで,その技術が紹介されていた.(9/2 発売号)
 簡単にいうと,靴あるいはその中に入れる中敷に,Googleマップと連動して振動する装置が仕込まれていて,あらかじめ目的地とルートをスマホに入力しておき,そのスマホをポケットに入れて歩き出せば,目的地に誘導してくれるというのである.
 すぐに生じる疑問は「視覚障碍者にスマホが使えるか」であるが,もう既に視覚障碍者が地図を使用できるようにするアプリが開発されているとのことである (音声出力を使用するらしい).

 これはロボットというより,デヴィ夫人がいう「白いステッキを音が鳴るように改造する」に近いものがある.しかも目的地に誘導してくれる靴そのものは大変安価だというし,スマホも安い.このような技術が進展して,やがて視覚障碍者が盲導犬を必要としなくなり,盲導犬が飼い主に「ちゃんと叱られ」なくなる世の中になることを期待したい.

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