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2014年8月22日 (金)

ドライカレー

 週刊文春 (8/28号) 連載コラム『この味』に,平松洋子さんがドライカレーのことを書いている.この回のタイトルは「朝顔とドライカレー」だ.
 平松さんが作るドライカレーはカレー風味の炒飯のことで,玉ねぎとピーマンのみじん切りを炒め,これに冷ご飯を投入して更にほぐし炒めて,仕上げにカレー粉を振ると書かれている.どこかで塩で調味するはずであるが,それは書いていない.

 私が最初にドライカレーを食べたのは,たぶん大学生の時だ.喫茶店の軽食メニューだったと思う.当時の喫茶店のメニューは,スパゲッティならナポリタンかミートソースであり,ご飯ものならカニピラフ,エビピラフ,ドライカレーといったところであった.
 で,喫茶店とか大衆洋食屋のドライカレーだが,まず例外なくカレー風味の炒飯だった.といっても関西でのことは知らず,これは東京での話だが,挽肉をカレールーと共に炒めて白飯に載せたタイプのドライカレーは,レストランのメニューだったのではないか.このようなタイプの,つまり今私たちがキーマカレーと呼んでいるもののもっと汁気の少ないタイプのカレーを家庭でも作るようになったのは,随分とあとのことだと思う.私は,三十歳前後の頃だと思うが,妻が作るこの種のドライカレーを口にして「これがドライカレー? 別にドライじゃないじゃん」と思ったものだ.

 カレー風味の炒飯は,平松流もそうだが,肉なしで作れる.場合によってはピーマンなしでもよい.玉ねぎと飯をカレー粉で炒めればできてしまう,一種の貧乏ご飯だ.平松さんも文中で《ほんとうはハムがあれば上出来だけれど、贅沢は腐裕の始まり》と書いている.腐裕は,いたずらに豊かなことの意味の造語ですね.
 私は大学四年生の時,東京は高円寺駅の南口にあった木造アパートに住んで自炊していたのであるが,家庭教師のバイト代が入る寸前,いよいよ懐がさみしいときにはよく玉ねぎだけのカレー風味炒飯を作った.平松洋子さんのコラムを読んでそんなことを思い出した.

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