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2014年4月19日 (土)

保身の術

 昨日の記事「忠誠」の続き.

 理研の笹井副センター長は記者会見でこう言った.
ここに出てきた目的は謝罪…、多くの皆さんに混乱、迷惑を与えてきたことについて、アドバイザーだった者として、センターの幹部としておわびを申し上げたいというのが一番大きい。一個人としてのみならず、理研の幹部の一人として、ラフな形ではなく、正式ないで立ちというか、理研の所員として臨んでいる

 上の発言中の《センターの幹部としておわびを申し上げたい》《理研の幹部の一人として》が何を意味するかというと,今回の笹井副センター長の記者会見は,即ち理研の意志を示す記者会見であるということである.
 笹井氏は「この記者会見における私の発言,説明は,センター長や野依理事長とのコンセンサスのもとに行われる」と明言したに等しい.

 現代日本を代表するペテン師の一人となった小保方研究員 (以下,小保方) は「わたしは STAP 細胞の作成をしましたが,そこから先は若山先生がおやりになったことです」と語って,自分には責任はない,若山教授の責任だと言い切った.
 これを受けて笹井副センター長も,今回の事件の責任は,小保方のデータを点検しなかった若山教授にあると語った.

 保身の術というのは自然科学ではないから,笹井副センター長 (と理研) の責任逃れのやり方が一般人並みの低レベルであることは,私のような年寄りには手に取るようにわかる.自然科学に無縁とはいえ,同じく年寄りの北野武やテリー伊藤が見抜いている通りだ.(笑)

 しかしながら新聞報道によれば,ネット上の一般人の支持は,いまや笹井・小保方に傾きつつある.
 こうなると,お気の毒なのは若山教授である.
 週刊文春今週号の記事によれば,保身の術に疎い若山教授はかなり憔悴されているらしい.

 幸いにして,研究者で小保方を支持する人はいない.
 この分野の学会指導者を含めて科学のコミュニティが,若山教授がこのまま科学の世界から葬り去られることのないような支援をしてくれないものかと,切に思う.

【追記】
 有識者で構成する理研「研究不正再発防止のための改革委員会」の岸輝雄委員長 (東京大学名誉教授) は18日,笹井副センター長の責任逃れに関して,笹井氏は小保方と同等の責任を持つべきだと批判した.
 まことに正論である.

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