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2014年4月24日 (木)

いつの日か殺処分が (一)

 このところの朝日新聞DIGITAL に,いくつか犬や猫に関する記事があった.

 岐阜県では,県内の保健所に収容された犬や猫を新たな飼い主に譲り渡すための譲渡専用施設「動物愛護センター」が美濃市に完成した.殺処分を極力減らす取り組みである.(4/16 の記事)

 次に北海道.(4/18)
 札幌市では,2013年度の犬の処分数が初の一桁になり,猫の処分数も初めて千匹を下回った.このように犬や猫の殺処分が大きく減ったのは,市民と市の努力が実を結びつつあるからだという.

 そして神奈川.(4/19)
 平塚市にある神奈川県動物保護センター (横浜,川崎,横須賀の三市以外で捨てられたり逃げたりした動物を保護している) では,昨年度に殺処分された犬がゼロだった.これは1972年の同センターが開設されて以来,初めてのことであるという.
 また,川崎市内の動物を預かる同市動物愛護センターでも昨年度の犬の殺処分数が初めてゼロになったとのことである.

 奈良市ではこれまで,住民が捕獲器を使用して捕まえた猫を保健所で殺処分してきたが,先月から捕獲器による持ち込みの受け付けを中止したと Yomiuri Online(4/18) が伝えた.
 保健所は今後,譲渡会の開催も検討するとしている.
 この読売の記事中で触れられていたが,動物愛護管理法 (動物の愛護及び管理に関する法律) に次のような規定がある.(総務省「法令データ提供システム」から引用)

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動物の愛護及び管理に関する法律
(昭和四十八年十月一日法律第百五号)
…………
第七条 動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者として動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。
2 動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物に起因する感染性の疾病について正しい知識を持ち、その予防のために必要な注意を払うように努めなければならない。
3 動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物の逸走を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
4 動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること (以下「終生飼養」という。) に努めなければならない。
5 動物の所有者は、その所有する動物がみだりに繁殖して適正に飼養することが困難とならないよう、繁殖に関する適切な措置を講ずるよう努めなければならない。
6 動物の所有者は、その所有する動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置として環境大臣が定めるものを講ずるように努めなければならない。
7 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、動物の飼養及び保管に関しよるべき基準を定めることができる。
…………
(犬及び猫の引取り)
第三十五条 都道府県等(都道府県及び指定都市、地方自治法第二百五十二条の二十二第一項 の中核市 (以下「中核市」という。) その他政令で定める市 (特別区を含む。以下同じ。) をいう。以下同じ。) は、犬又は猫の引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。ただし、犬猫等販売業者から引取りを求められた場合その他の第七条第四項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として環境省令で定める場合には、その引取りを拒否することができる。
2 前項本文の規定により都道府県等が犬又は猫を引き取る場合には、都道府県知事等 (都道府県等の長をいう。以下同じ。) は、その犬又は猫を引き取るべき場所を指定することができる。
3 第一項本文及び前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又は猫の引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。
4 都道府県知事等は、第一項本文 (前項において準用する場合を含む。次項、第七項及び第八項において同じ。) の規定により引取りを行つた犬又は猫について、殺処分がなくなることを目指して、所有者がいると推測されるものについてはその所有者を発見し、当該所有者に返還するよう努めるとともに、所有者がいないと推測されるもの、所有者から引取りを求められたもの又は所有者の発見ができないものについてはその飼養を希望する者を募集し、当該希望する者に譲り渡すよう努めるものとする。
5 都道府県知事は、市町村 (特別区を含む。)の長 (指定都市、中核市及び第一項の政令で定める市の長を除く。) に対し、第一項本文の規定による犬又は猫の引取りに関し、必要な協力を求めることができる。
6 都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする団体その他の者に犬及び猫の引取り又は譲渡しを委託することができる。
7 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、第一項本文の規定により引き取る場合の措置に関し必要な事項を定めることができる。
8 国は、都道府県等に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、第一項本文の引取りに関し、費用の一部を補助することができる。

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 長々と引用したが,動物愛護管理法は,動物の所有者には「当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること」を,自治体には「殺処分がなくなることを目指」すように求めている.
 上述の北海道,神奈川,岐阜,奈良市の事例は動物愛護管理法の実践であるわけだ.

 さて悲しいかな人間には,犬や猫の好きな人と,嫌いな人がいて,その溝は深い.
 犬猫を好きな人の中にも,他人に迷惑をかけない飼い方をすべきであると考える人と,そんなことはお構いなしという者がいて,その対立もまたある.

 昨日の読売新聞 (Yomiuri Online 4/23 11:56) によれば,北海道白老町の無職佐治清 (65歳) は,二月二十六日に同町竹浦の海岸で土佐犬を放し飼いにしたため,この土佐犬が,付近を散歩していた橋場トミ子さん (59歳) に襲い掛かってかみつくなどし,橋場さんを転倒させ溺死させた.
 佐治清は橋場さんの遺体を放置して家に帰ったが,目撃者があったことから,北海道警苫小牧署は四月二十三日に佐治を逮捕した.

 次は数年前,私が以前住んでいたところで起きたこと.
 うちの近所に秋田犬を飼っている夫婦がいた.この夫婦がある朝,犬と一緒に散歩しているとき,小型犬を連れて散歩している人とすれ違いざま,秋田犬が突然その小型犬に襲い掛かり,喉笛をかみ切って即死させた.
 血を流して横たわる愛犬を見て呆然と立ちすくむ飼い主に,秋田犬の飼い主夫婦の妻のほうが平然と「この犬はおいくらでした? お支払いしますけど」と言い放った.

 この夫婦,人でありながら,鬼畜である.
 犬を嫌う人々を生み出しているのは,橋場さんを殺害した佐治清や,上に書いた秋田犬の飼い主夫婦のような外道たちであると私は思う.

 よく知られているように,犬を保健所送りにして殺しているのは,犬嫌いの人たちではない.犬好きの人でなしたちだ.
 こんな理不尽なことがあるだろうか.犬の殺処分問題の恐ろしい点は,犬を連れて一見楽しそうに散歩している人々が,ある日突然,保健所に犬を持ち込む犬殺しに変じるところにあるのだ.

 しかしながらいま全国に,犬猫の殺処分ゼロを目指して活動している人々がいて,それを応援する自治体が増えている.
 私はこんな雑文を書きながら,いつの日か保健所で殺処分される犬や猫がゼロになることを祈っている.

 別の話になるが,このブログの右サイドバーに,社団法人RJAV被災動物ネットワークへの寄付のためのリンク (Amazon お願いリスト) がある.
 RJAV 代表の佐藤さんは,組織運営の財政で大変な苦労をされているようで,このブログを訪問されたかたが RJAV を助けてくださると,とてもうれしい.
 私は今日が給料日なので,またささやかな支援金を贈るつもりだ.

[関連記事]
いつの日か殺処分が (二)
いつの日か殺処分が (三)

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