乙女の四十年 その二
(前回の記事は《乙女の四十年》)
藍美代子という,還暦の歌手がいる.(Wikipedia【藍美代子】)
知ってる人は激賞するが,知らない人は名前を聞いたこともないという一風変わった歌手である.
藍美代子は宮城県で1954年6月に生まれ,現在の芸名とは別の名で1970年にレコード・デビュー.
しかし全然売れず,1972年にいったん引退したが,翌1973年に藍美代子の芸名で再デビューした.
私は1972年に大学を卒業して就職した.
もらった給料をすべて飲み屋に払うという愚かな生活を二年間も続けたが,ある日改心して (嘘) ステレオを買った.
改心してもお金はないので,当時の言葉でいうところの「月賦」で購入した.
若い人は知らない懐かしい言葉ですね,月賦.
世はまだLPレコードの時代で,私が手に入れた最初のアルバムは,小椋佳『彷徨』と藍美代子の『わたしの四季』だった.
伊藤咲子と藍美代子の不運は,山口百恵や森昌子と同時期 (山口百恵は1973年,森昌子は1972年) のデビューだったことだろうと思う.
伊藤咲子はまだしも,藍美代子は『ミカンが実る頃』(『わたしの四季』に入っている) 一曲を少しヒットさせただけで,その後フェイドアウトしてしまった.
ところが,である.
藍美代子のCD『ミカンが実る頃 コンプリートコレクション』が来月リリースされるというではないか.
私はもう何も考えずに Amazon で予約のボタンをポチッと押した.
収録曲は次のようである.
[Disk 1]
1. ミカンが実る頃
2. 風小僧
3. 瀬戸の花嫁
4. 女ひとり
5. 折鶴
6. 帰るかな
7. 悲しみは駆け足でやってくる
8. 花とおじさん
9. あなたの心に
10. 白い想い出
11. 忘れな草をあなたに
12. 見上げてごらん夜の星を
[Disk 2]
1. 若草の誓い
2. 春風の約束
3. 星の子チョピン
4. 星のしずくの子守唄
5. 手のひらの秋
6. 夏から来た手紙
7. あじさいの寺
8. 思い出がもひとつ
9. 母
10. 私の花は開かない
11. くもりのち晴れ
12. 南向きの部屋
[Disk 1] は『わたしの四季』の復刻である.
『わたしの四季』はCD化もされたが,いまその中古CDを手に入れようとすると二万円を超す価格がついている.
しかるにディスク二枚組が三千円ちょっとで復刻発売されるのである.
これが買わずにおられようか.買うぞ.買わいでか.君も買いなさいっ.
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