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2014年3月 8日 (土)

去年より ずっと 嫌いになった

 私は若いときから,『赤ちょうちん』とか『神田川』とかの,いわゆる四畳半フォークが好きでなかった.
 四畳半フォークの四畳半は,同じ四畳半でも『男おいどん』ではなく『同棲時代』のほうである.
 こんな歌のどこがいいのか不思議だった.

 学生時代,私は東京の中野や高円寺の界隈に住んでいたのだが,たしかに同棲しているやつが多かった.
 高円寺駅の南口から暫く歩いて商店街が終わったあたりに『めぞん一刻』の一刻館みたいな木造アパートがあって,そこに住んでいたときには,私以外の部屋はすべて同棲だった.

 アルバイトを終えて夜遅くアパートに帰り,玄関を入って廊下にあがる三和土に散乱したたくさんの女物の靴を見ると,がっくり脱力したものである.
 まことにふざけた時代であった.

 そういうわけで四畳半フォークが嫌いになったのだが,それでも,Amazon のお勧めに「伝説の名盤」なんて書いてあると,んじゃあ聞いてみようかという気になって,『Kaze  COMPLETE BEST』と『the KAGUYAHIME forever』を注文して聴いてみた.

 で,かぐや姫のCDを聴いて思ったのは,なぜ同棲すると「お互いに傷つけあって別れ」て,女のほうが自殺するのであろうか,ということだ.
 いい気なものである.女性のシンガーソングライターは,こんな歌詞を書いたりはしないだろう.
 こういうステロタイプな歌詞が,やがてJ-POP とやらで乱発された「大切な何か」という超ステロタイプなフレーズを生み出したのだろう.(大切なのに,それが何だか分からないのは只の馬鹿野郎としか思えない)

 とはいえ,かぐや姫でも伊勢正三はそれほどわるくない.
『ささやかな人生』とか『なごり雪』とか.

 さて『なごり雪』の関連を検索すると,嘉門達夫の『なごり寿司』がヒットする.
『なごり雪』もわるくはないが,『なごり寿司』はもっとずっといい.
 私はこういう歌が好きである.

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