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2014年3月29日 (土)

葛切り 葛桜

 昨日消費者庁が公表した「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について」に関して《主婦連合会の佐野真理子事務局長は「優良誤認を理解するのにこれだけの事例では少ない。使った食材の名前を正しく表示させることを基本とすべきだ」と注文をつけた》という.(ウェブ版毎日新聞 3/28 11:41 の報道による)
 Q&A 方式で例示するのではなく,例えば「材料名は標準和名を用いる」とか,生物学的厳密性に立脚する原則を示せというわけだ.

 しかし生物学的に厳密に《使った食材の名前を正しく表示させる》場合,一つ問題になる食品がある.
「葛切り」である.
 Wikipedia【葛切り】に書かれているように,普通は原材料にジャガイモ澱粉やサツマイモ澱粉などを用いて作る.

 主婦連の主張に従えば,甘味処の品書きにおいて,これは「芋切り」としなければならない.
 雅趣に欠けること著しいが.

 もちろん原材料に「葛粉」と表示した和菓子はある.
 しかし,葛粉は本来はヤマトクズから作るデンプンであるが,これは生産量が少ない貴重品なので,台湾産のタイワンクズや中国産のシナノクズのデンプンで代用しているのが実情である.(註 * )
 従って,和菓子の葛饅頭や葛桜で,ヤマトクズのデンプン以外を材料にしたものは,商品名を台湾葛饅頭,台湾葛桜とか,支那葛饅頭,支那葛桜などとせねばならぬ.

 食品表示の厳密性を追求する主婦連の皆様,和菓子屋に抗議を申し入れ,庶民の暮らしから葛饅頭と葛桜を追放してくだせい.
 わしらみたいなもんには,台湾葛桜で結構でごぜいます,うう.

(註 * ) 3/30 追記
 もうかなり昔のことだが,奈良に旅した折,食事に入った店で,小袋に包装された葛粉 (本物) が売られていたので購入したことがある.
 近畿関西圏の食文化というのは,さすがに奥が深いと思ったことである.

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