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2014年3月21日 (金)

私のなんちゃってPCオーディオ その二

 世間でPCオーディオというと,最近ではハイレゾ音源を用いるシステムを意味するのが普通かと思う.
 しかし私が聴く音楽は,オールディーズなどの昔の録音のものだったり,せいぜいそのリマスターだったりするので,そもそもハイレゾ音源と無縁だ.
 従ってCDと同等の品質である非圧縮のファイル形式ならそれで充分なのである.
 前の記事「私のなんちゃってPCオーディオ」に続く「乙女の四十年」で,所有するCDを AIFF 化していると書いたが,ようやくその単調作業が終わった.
 そこで「私のなんちゃってPCオーディオ」第二弾を書いてみる.

 リビングにあるPCに接続したシステムは,スピーカーと音を聴く位置が離れているので,普通の2ウェイ・ブックシェルフ・スピーカーを用いたが,今回は書斎 (のような狭い部屋) のPCなので,耳とスピーカーの距離が 1m くらいしかとれない.
 耳とスピーカーの距離が短い場合,2ウェイ・スピーカーだと上下方向の定位が問題になる.
 より点音源 (これを書いて気が付いたけれど「音源」には二つの意味があるのだね) に近づけるためには,スピーカーはフルレンジかコアキシャル2ウェイがよいのだそうである.
 それで色々考えた末に,TEAC のコアキシャル2ウェイ・スピーカーシステム S-300NEO を採用した.
 しかしブックシェルフでコアキシャルのスピーカーってのは種類が少ない.ほぼこの S-300NEO 一択ではなかろうか.

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 S-300NEO の外観.右側はサランネットを外したところ.
 S-300NEO の下の段にあるのは,TEAC のオールインワンシステム RC-F0513 で,これには iPod を接続している.

 書斎のような部屋には用途別にカスタマイズしたPCが四台あって,全部を一基のラックに収納してある.
 それらを,これまではラトックのPC切替機 (下画像) に繋いでいたのだが,製作時期が一番新しいPCの音声出力をPC切替機から切り離した.
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 このPCの USB ポートと TEAC の USB DAC/ステレオプリメインアンプ A-H01 (下画像) を接続し,この出力を S-300NEO で聴こうというわけだ.
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 残りのPC三台は音質はどうでもいい,というか,それらで音楽を聴くことはないので,ヤマハのパワードスピーカー NX-50 にアナログ音声出力を繋いだ.
(余談だが,ヤマハ NX-50 は小型で見栄えがよろしい.ノートPCをお使いのかたに,外付けスピーカーとしてお勧めしたい)

 これで出来上がりなのだが,PCオーディオについて色々と勉強しているときに,USB ケーブルに関する珍説を知った.
「○○電線が公表したデータによると,デジタル信号はケーブル伝送によって30%が失われる.従ってPCと DA コンバーターを接続する USB ケーブルの品質が音質に大きな影響を与える」がその説だ.
 ○○電線は有名なケーブル類のメーカーである.

 調べてみると実際に,オーディオ用 USB ケーブルなるものが販売されている.
 価格は,ピンからキリまであるが,高いものでは普通の USB ケーブルより二けた高い異常なお値段である.
 なぜそんなに異常に高価なのか.
 オーディオ用 USB ケーブルのメーカーの説明によると,このケーブルには,どうやらアナログ信号用ケーブルの歪&ノイズ対策と同じことが行われているらしい.

 いわゆるオーディオマニアには理屈が通じない.
 デジタル信号の伝送はどのように行われるか,その仕組みをいくら説いても聞き入れることはないだろう.
 彼らは,悪質な業者に「USB ケーブルで音が変わる!」と言われれば,一も二もなく USB ケーブルに大金を投じて,悔やむことがない.
 彼らは,例えばPCから外付けの HDD に数十ギガバイトのファイルをコピーするとして,普通の USB ケーブルを用いても,完全に同じファイルが外付け HDD に記録されるという事実には目をふさいでしまう.
 そして「PCの USB ポートから DAコンバーターまでの間に信号の30%が失われてしまうから,USB ケーブルには良いものを使いましょう」などとブログに書いて,この珍説を拡散するのである.
 ちなみに,上述の○○電線についていくらウェブを検索しても「デジタル信号はケーブル伝送によって30%が失われる」との資料は出てこない.これ自体が出処不明の風評らしい.○○電線は,私が知っている悪質なケーブル製造業者とは無関係だと書いておく

 私が若い頃,出回り始めたCDの音を聴いて「デジタル録音は音がブツブツに切れている」と言った高名なオーディオ評論家 (故人だが今でも信奉者がいる) がいた.
 ま,オーディオ趣味というのは,そんなもんなのであると,1960年代録音のナット・キング・コールを聴きながら私は思った.

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