貧者の鮭
和洋中を問わず外食店で常態化していた食材の虚偽表示問題を受けて,消費者庁が昨年末にたたき台を公表した適正表示ガイドラインについて,同庁はサーモントラウトは標準和名がニジマスであるから,これを「サケ」と表示することは景表法上問題があるとしていたが,昨日の国会で森雅子消費者担当相は,ガイドラインが想定しているのはレストランであり,レストランでスモークサーモンの名称でニジマスを使うのはだめだが,サケ弁当は許すとの答弁をした.
その理由は,弁当屋と比較してレストランの場合は,がっかり感が大きいからだめだということらしい.
この理屈でいうと,回転鮨屋も持ち帰り弁当店と同列の扱いになって,お目こぼしされるのであろう.非論理的で,腰のすわっていないことが明らかな前言修正である.(*)
ニジマスをサケと称していたことが判明して「がっかりする」店と「がっかりしない」店をどのように区別するのか.消費者クレームが消費者庁に届け出されたときに個別判断するのか.そんなマンパワーを消費者庁はもっているのか.地方自治体に権限をもたせるといっているが,そんな権限を持たされたら自治体が困るのではないか.
そもそも「魚介の料理には標準的な和名を使用せよ」といえば一件落着の話なのに.私は回転鮨でロコ貝を注文するのは一向に構わぬ.あれをアワビと呼ぶほうがいやだ.
(*) 騒動の最中にはあれだけ冷凍魚は鮮魚ではないと煽っておきながら,いまは冷凍魚は鮮魚としてよいという.これもニジマスと同じく,大衆居酒屋では構わないが料理屋ではいけないというダブルスタンダードにするのであろうか.
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