« 米飯給食の暗部 | トップページ | 春野菜の唄 »

2014年2月23日 (日)

『アンネの日記』の破壊

 沖縄県八重山地区 (竹富町,石垣市,与那国市) では,2011年夏に教科書の採択地区協議会が「新しい歴史教科書をつくる会」系である育鵬社版の教科書を使うことを答申した.
 石垣市と与那国市は育鵬社版を使うことにしたが,竹富町はこれに反対の立場で東京書籍版を独自に採択した.
 文科省は昨年10月,県教委に対して竹富町への是正要求を指示したが,県教委は応じなかった.
 もう二週間前の報道であるが,文部科学省はこの三月上旬に地方自治法に基づく是正要求を竹富町に出し,教科書の変更を求める方針を固めた.県教育委員会が文科省の指示に応じない場合に国が市町村に直接,是正要求を出す戦後初の事態であるという.
 続報を目にしていないのだが,どうなったのであろう.

 昨日の報道によれば,戦後史の中で最も好戦的な現政権は,我が国の「武器輸出三原則」から「国際紛争の当事国またはそのおそれのある国」への輸出を認めないという項目を削除し,これを来月にも閣議決定するようだ.(決定されると,武器輸出の可否は一省庁に過ぎぬ経済産業省が決定権を持つようになる)
 上に「好戦的な現政権」と書いたが,現政権を成立させたのは他ならぬ私たち日本国民であって,その意味で今の日本国民は戦後史上最も好戦的であるといえる.
 ヒタヒタと進行するこのような状況の下,私達が知っている沖縄も好戦的に変質していくのかも知れない.

 ネット上には中国や韓国の人々に対する罵詈雑言が溢れているわけだが,その背景に「新しい歴史教科書をつくる会」の影響があるとされる.
 読むものはネット掲示板と嫌韓コミックと教科書だけという,知的レベルの低い嫌韓・嫌中国の若年層がいよいよ選挙権を手に入れた結果が,先日の都知事選で田母神俊雄候補が驚くべき支持を得たことであるだろう.
 ネット掲示板をみていると嫌韓・嫌中国の若い層はかなりの程度に頭の出来が悪いと思われ,その頭では「新しい歴史教科書をつくる会」も田母神俊雄も,細かい差異はとてものことに理解の外であろう.そのような粗雑な頭の中で,嫌韓感情が古めかしい嫌ユダヤ感情に転化するのはわかりやすい道理だ.
 昨年,嫌韓デモにハーケンクロイツが登場したとき,さもありなんと思ったことである.(ただし頭が悪すぎて鉤十字の鉤の方向が逆向きであったのは,哀れであった)

 最近,東京都内の公立図書館が所蔵する『アンネの日記』や関連書籍が破壊されている問題で,被害は三百冊を超えることが判明したと昨日報道された.
 あまりにもわかりやすい構図で情けないが,嫌韓デモのハーケンクロイツと『アンネの日記』の破壊は通底している.
 日本が堂々たる武器輸出国となり,図書館から『アンネの日記』がなくなり,成人式の日に首里城で旭日旗とハーケンクロイツが翻るとき,安倍晋三がいう「戦後レジームからの脱却」は完成するだろう.私が生きているうちに見たくはないが.

|

« 米飯給食の暗部 | トップページ | 春野菜の唄 »

新・雑事雑感」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『アンネの日記』の破壊:

« 米飯給食の暗部 | トップページ | 春野菜の唄 »