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2014年2月

2014年2月28日 (金)

七百万年

 何百万年も前,チンパンジーの祖先と,私達ヒトの祖先が分岐してそれぞれの進化を歩み始めたころのこと.
 ヒトの祖先の中に,頭蓋が大きくて脳容積の大きいものがいた.
 この種のヒトの中で,現在の色んな野生動物のように胎内の子がちゃんと成長してから産み落とすタイプは,頭が大きくては難産なので母親の死亡率が高く,やがて死に絶えた.
 だが,脳容積が大きい種類のヒトの中に,胎児の頭蓋が大きくなってしまう前に,自らは身動きもできない未熟な児を産む種類が発生した.
 母親の難産は軽減されたが生まれた子はひ弱く非力で,チンパンジーのように母親にしがみつくことができないので,この種類のヒトも多くは絶滅した.

 もう本当に奇跡に近いことのように思われるが,未熟な児を産む種類のヒト母親の中に,腕が短くてナックルウォーク (チンパンジーのように拳を地に着けて歩くやり方) をできない者達がいた.
 だが,たまたま,この母親達は我が子を抱きしめるという性質があり,それ故,未熟な我が子を抱きかかえて移動し,あるいは敵から子を保護することができた.
 もちろんこの種類の中には,母親はナックルウォークするが父親はできない (直立二足歩行する) というもの (つまり父親が子を保護する) もいたかも知れないが,いたとしても絶滅したのだろう.化石はない.

 このように,ヒトの祖先の中に,頭蓋が大きく,母親は未熟な児を産み,だがその母親には我が子を抱きしめることのできる者達がいた.
 さらには,母親は子を抱いているので食べ物を集めることができないが,暇な父親が母と子に食べ物を持ってくる性質のヒト属がいて,その種類のヒトだけがこの世に生き残った.

 理由もなく母が子を抱きしめてしまうという現生人類の性質こそが,この世で人を人たらしめた理由なのであった.

 まことに何百万年という時間は大したもので,奇跡的な偶然でも,時間がありさえすれば起きるのだなあ.
 こんなことを河合信和『ヒトの進化 七○○万年史』を読んで考えた.

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2014年2月25日 (火)

春野菜の唄

 私は野菜が好きで,温野菜,生野菜とりまぜて朝食に三百グラムほど食べる.
 昼飯はコンビニで買うものだから野菜はほぼゼロだが,夕食の煮物やおひたしを合わせると,一日に四百グラムくらい摂っているんじゃなかろうか.

 還暦を過ぎたのに未だ焼肉屋でカルビなんぞを食っていると,勢い余って何事か悪いことを企みそうな気配があるが,カルビの対極にして大地の恵みたる野菜をパリパリと食んでいると,なんかこう心が清浄に澄み渡る心地がする.
 食物繊維が腸内環境を整えてくれるのみならず,このように野菜には精神面の浄化作用もあるらしく,先日など道ですれ違う見知らぬ人が神々しいものを見るかのように私を拝んだくらいである.大嘘です.

 この時期だと,私の冷蔵庫の大きな保存容器にはブロッコリとカリフラワーを茹でたものが常備してある.
 この常備菜と,デパートの惣菜売場で購入してきたサラダを混ぜ合わせ,カレー皿くらいの皿一杯に盛って,わしわしと食う.ポン酢よし,フレンチドレッシングと黒胡椒を振りかけてもまたよし.

 昨日の仕事帰りに買ったサラダには,キャベツ,大根,胡瓜,人参,蕪 (以上は多い順) の他に筍も入っていた.
 私は関東の生まれ育ちなので,筍の季節というと五月だが,関西では二月から出荷が始まるのだそうだ.上にあげたサラダの筍は関西圏からのものかも知れない.

 もうすぐ三月の声を聞くと,そろそろ店頭に蕗が出回る.ハウス栽培ものは夏期を除いてほぼ一年中あるけれど,春のものがやはりおいしい.
 蕗は下ごしらえがちょっと面倒だが,春野菜らしくて食卓にこれがあると嬉しい.

 昨晩,手元の吉田拓郎のアルバムをかけたら,そのCDに『フキの唄』が入っていた.
 拓郎や私が子供だった頃,《日本は貧しくひ弱で お金もなく肩寄せあって生きていた 物が足りないのは みんな一緒だし普通だし 何よりも平和が大切でありました》と拓郎は歌う.
 あれから日本人は強欲になって,《何もかも手に入れたい》と思うようになった.
 でも,拓郎は蕗や筍が好きで,蕗や筍のように質素なものを食べていると,《何もかも求めすぎずにおだやかに》生きようという気持ちになるとの趣旨の歌詞である.

 惣菜売場のサラダだが,入っていた胡瓜は季節感に反するなあ.
 そういえば春野菜のサラダというのも売られていた.次はそれにしようと思う.

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2014年2月23日 (日)

『アンネの日記』の破壊

 沖縄県八重山地区 (竹富町,石垣市,与那国市) では,2011年夏に教科書の採択地区協議会が「新しい歴史教科書をつくる会」系である育鵬社版の教科書を使うことを答申した.
 石垣市と与那国市は育鵬社版を使うことにしたが,竹富町はこれに反対の立場で東京書籍版を独自に採択した.
 文科省は昨年10月,県教委に対して竹富町への是正要求を指示したが,県教委は応じなかった.
 もう二週間前の報道であるが,文部科学省はこの三月上旬に地方自治法に基づく是正要求を竹富町に出し,教科書の変更を求める方針を固めた.県教育委員会が文科省の指示に応じない場合に国が市町村に直接,是正要求を出す戦後初の事態であるという.
 続報を目にしていないのだが,どうなったのであろう.

 昨日の報道によれば,戦後史の中で最も好戦的な現政権は,我が国の「武器輸出三原則」から「国際紛争の当事国またはそのおそれのある国」への輸出を認めないという項目を削除し,これを来月にも閣議決定するようだ.(決定されると,武器輸出の可否は一省庁に過ぎぬ経済産業省が決定権を持つようになる)
 上に「好戦的な現政権」と書いたが,現政権を成立させたのは他ならぬ私たち日本国民であって,その意味で今の日本国民は戦後史上最も好戦的であるといえる.
 ヒタヒタと進行するこのような状況の下,私達が知っている沖縄も好戦的に変質していくのかも知れない.

 ネット上には中国や韓国の人々に対する罵詈雑言が溢れているわけだが,その背景に「新しい歴史教科書をつくる会」の影響があるとされる.
 読むものはネット掲示板と嫌韓コミックと教科書だけという,知的レベルの低い嫌韓・嫌中国の若年層がいよいよ選挙権を手に入れた結果が,先日の都知事選で田母神俊雄候補が驚くべき支持を得たことであるだろう.
 ネット掲示板をみていると嫌韓・嫌中国の若い層はかなりの程度に頭の出来が悪いと思われ,その頭では「新しい歴史教科書をつくる会」も田母神俊雄も,細かい差異はとてものことに理解の外であろう.そのような粗雑な頭の中で,嫌韓感情が古めかしい嫌ユダヤ感情に転化するのはわかりやすい道理だ.
 昨年,嫌韓デモにハーケンクロイツが登場したとき,さもありなんと思ったことである.(ただし頭が悪すぎて鉤十字の鉤の方向が逆向きであったのは,哀れであった)

 最近,東京都内の公立図書館が所蔵する『アンネの日記』や関連書籍が破壊されている問題で,被害は三百冊を超えることが判明したと昨日報道された.
 あまりにもわかりやすい構図で情けないが,嫌韓デモのハーケンクロイツと『アンネの日記』の破壊は通底している.
 日本が堂々たる武器輸出国となり,図書館から『アンネの日記』がなくなり,成人式の日に首里城で旭日旗とハーケンクロイツが翻るとき,安倍晋三がいう「戦後レジームからの脱却」は完成するだろう.私が生きているうちに見たくはないが.

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2014年2月21日 (金)

米飯給食の暗部

雑多感想 2/19」の (一) に,《大阪市鶴見区内の市立小学校に勤務している五十代の女性給食調理員が,同僚の女性アルバイト職員に給食用の米約五十キロ(七袋) と食塩一キロの合計三万円相当を持ち帰らせたことがわかり,市は今日にも,この女を停職の懲戒処分にするという》と書いたときに何となく違和感があったのだが,昨日ようやくこの事件の妙な点に気がついた.
 それは,この女が盗んでアルバイト職員に与えたとされる米の量と金額に不審な点があることだ.

 塩一キロの金額はネグルとすると,盗まれた米の価格は六百円/キロとなる.
 通販で売られている (すなわち本物かどうかはわからない) 平成二十五年産の新潟魚沼産コシヒカリの一番安いやつが買えないこともないキロ単価である.(笑)
 大阪の市立小学校の米飯給食に使用する米は,仮にブランド米であるとしても,もちろん大量に購入するわけだから一般の価格よりも安いと思われ,そうするとこの盗人調理員が窃盗した米は,給食用の米とは別物 (別会計) であることになる.

 昨年発覚した給食調理員たちの横領・窃盗事件では,炊事する調理員たちが総員グルになって犯行におよんでいた.
 今回もその気配がある.
 泥棒女に盗まれた米はもっと多いはずである.五十キロどころか,数百キロは盗られているのではないか.
 とても一家族では食いきれぬ.(爆)
 また学童給食用とは別の米を購入するとなると,この犯行は調理員たちだけでは難しいのではなかろうか.

 もう一つの違和感.
 アルバイト職員はただちに解雇された.これが一昨年の夏のことであった.
 主犯の調理員も普通であればただちに懲戒解雇であるが,大阪市はなぜかこの調理員は処分せず,事件も公表しなかった.しかるに一年半後にようやく,しかも解雇ではなく停職処分にした.
 事件が発覚したときに解雇できなかった何らかの事情があったのかと疑われる.この事件,単なるコソ泥の盗みではなかったのではないか.

 それにしても,この件でネット上をうろついていたら,大阪市の給食調理員の年収は八百万円だと掲示板に書かれていた.
 上場企業の部長クラスということになる.
 ほんとかどうか知らないけれど,ありそうな話ではある.大阪市長の見解やいかに.

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2014年2月19日 (水)

雑多感想 2/19

(一)
 毎日新聞ウェブ版(2月19日2時30分) 掲載の記事《大阪市教委:バイトに給食米持ち帰らせ停職 調理員》によると,大阪市鶴見区内の市立小学校に勤務している五十代の女性給食調理員が,同僚の女性アルバイト職員に給食用の米約五十キロ(七袋) と食塩一キロの合計三万円相当を持ち帰らせたことがわかり,市は今日にも,この女を停職の懲戒処分にするという.
 この女は《アルバイト職員の給料が安くてかわいそうだったから》と述べているようだ.
 先日の「雑多感想」で,老人の万引きが増えているという件について,万引きしない人間はどんにな困っても万引きしないと書いたが,他の窃盗も同じ.逆にいうと,窃盗する人間は金に困っていなくても盗む.
 盗むということに対する閾値が低いのである.
 件の女性給食調理員が,自分のうちにも盗品を持ち帰っていないかどうかを,警察は捜査するであろう.実はそっちほうが多いのではないかということだ.
 それにしても給食調理員による食材や食材購入費の横領が後を絶たない.

(二)
 ダイオウグソクムシが死んだ.三重県鳥羽市の鳥羽水族館で,五年以上も餌を食べずに生き続けているとして話題になった彼のことである.
 私が思うに,動物園や水族館の飼育員のかたというのは,子供の頃から生き物が好きだったに違いない.
 私もそうだが,生き物好きな人なら,例えば夏休みに昆虫をつかまえて暫く飼っていたが結局死なせてしまったというような記憶があるだろう.
 あのときの喪失感みたいなものを覚えているだろう.
 いつものように餌をやろうとして,動かなくなっているダイオウグソクムシをみつけたときの担当飼育員の心中を思うと同情を禁じ得ない.

(三)
 STAP細胞の周辺がなにやら騒ぎになっている.
 小保方研究員の論文に捏造疑惑があるというのである.論文発表後,ただちに八研究機関が追試を実施したが,すべて小保方論文の再現に失敗していると伝えられる.
 このことが論文捏造説を後押ししているわけであるが,実はその八機関の実験は厳密な追試になっていない (実験に用いた細胞が小保方論文とは異なる) との情報もネットにアップされていて,素人の私達としては,今はネイチャー誌と理研自身の調査結果を待つしかない.

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2014年2月18日 (火)

大雪のあとサラダを買いに

 先週土曜日からの大雪が,物流に大打撃を与えているようだ.
 昨日の仕事帰り,駅ビルの地下でなにか夕食にするものを探そうと立ち寄ってみた.
 各種揚げ物,煮物,焼き物など,たくさんある惣菜店は,一店を除いてもう通常営業に戻っていた.
 その一店とはサラダのRF1である.
 RF1のショーケースはからっぽで,「雪のために入荷がありませんでした」と書かれた紙が貼ってあった.
 このデパ地下には真正面から競合する柿安ダイニングもあって,こちらは色とりどりのおいしそうなサラダがショーケースに満杯だった.

 RF1の食材加工工場は静岡県磐田市にある静岡ファクトリーだ.
 静岡ファクトリーの生産システムはジャスト・イン・タイムであり,契約農家などから毎日,野菜をはじめ様々な食材が運び込まれる.
 ここで加工された野菜類が各店舗に搬入されてサラダに仕上げられるのだが,これもジャスト・イン・タイムだ.
 従って今回のような事態になると,たちまち傘下各店の営業が止まってしまうことになる.
 ただ、この地下フロアには同じロックフィールドの神戸コロッケも出店していて,こちらは全面的に営業が停止していないところをみると,加工済食材の静岡東京間の輸送よりも,静岡ファクトリーへの食材搬入が止まっているのかも知れない.

 いずれにせよRF1の生産システムは,消費者が食品を求めているときに供給できないということが露呈してしまった.
 一方,いつもと違って柿安にはお客が列をなしていて,販売員の少女の顔は晴れやかであった (ような気がする).
 私はいつも柿安より高いRF1でサラダを買っていたのだが,昨日は初めて柿安のグリーンサラダとポテトサラダ,それとマリネを購入してみた.うん,なかなかおいしいじゃないか.これからは柿安でも買うことにしよう.

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2014年2月17日 (月)

PATH OF EXILE (8)

[バックナンバー(1)~(7)は,左のサイドバーの「爺ゲーマー」にまとめてあります]

 育成している各キャラの名前がテキトーであることは連載の最初に書いた.
 あまりにもテキトーなので,この記事中で使う名前を決めておく.

[職業]           [名前]
弓装備レンジャー;    毒弓乙女 (本名 千歳飴)
片手剣装備レンジャー;  楯持つ姫君 (本名 エオウィンもどき)
スタッフ装備テンプラー; 杖振り爺 (本名 土手鍋)
炎スキルメインのウィッチ;炎上娘 (本名 焼き焼き)

 両手剣士の渋茶くんとか,権太楼という斧使いのマロードなんかもいるのだが省略.両名とも暫く引きこもると思われる.
 で,昨日は毒弓乙女,杖振り爺,楯持つ姫君の三人が Act2 のボスに挑んだ.
 (下画像の左から,Act3 に進んだ各員を並べた)

0216starting_act3

 想定どおり,毒弓乙女は危なげなく Act2 のボスキャラ Vaal を倒して Act3 に進んだが,戦闘前にうっかりしてポータルを出さずに戦ったことを,あとで反省した.

 杖振り爺は Vaal 戦の前にダンジョン (古代のピラミッド) の中程で雑魚に囲まれて不慮の死に見舞われたが,トーテムを出す雑魚相手のコツをつかんだあとは無問題だった.

 ところが困ったのは楯持つ姫君で,DPS 120ちょっとで Vaal に挑戦したものの,時間がかかっているうちに,なんだか知らないが壊滅打を受けて死亡した.
 二度目に Vaal のピラミッドの最上階に上る途中で拾ったレア剣に持ち替えたら DPS が200 を超えたので「これでたぶんよし」と思って再挑戦したものの,弓と剣の違いであろうか,あえなく死亡.
 三度目にピラミッドを昇り始めて,そこに出てきたレアモンスを倒したら派手な効果音と共にユニークアイテムをゲット.
 そのユニークは Aurumvorax で,全属性抵抗値+41 というものであった.

0216aurumvorax
 やれうれしや.違います.アイテム運 -20% はとても悲しい.
 とはいえ,まずは先に進まねば.
 指輪を二つとも 2%マナ吸収のものに代えて,Vaal には Heavy Strike の連打で挑むことにした.
 それと,かなり前に拾って倉庫に入れておいた Evasion Rating を+3000するポーション (下画像) を念のため服用したところ,これが功あったか,ようやく Vaal を倒すことができたという次第.

0216jade_flask_b

 Vaal を打倒して Act3 の街に到着したときの各人のスペックは以下のとおり.

【毒弓乙女】
 Level 32
 Life 508
 Mana 171
 Maximum Energy Shield 14
 Damage per Second 216.7
 Chance to Hit 91%
 Armor 69
 Evasion Rating 767
 Fire Resistance 61%
 Cold Resistance 61%
 Lightning Resistance 54%

【杖振り爺】
 Level 32
 Life 592
 Mana 196
 Damage per Second 199.7
 Chance to Hit 87%
 Armor 310
 Evasion Rating 377
 Fire Resistance 75%
 Cold Resistance 75%
 Lightning Resistance 57%

【楯持つ姫君】
 Level 32
 Life 664
 Mana 194
 Damage per Second 192.5
 Chance to Hit 94%
 Armor 163
 Evasion Rating 1098
 Fire Resistance 71%
 Cold Resistance 75+5=80% (+5%は楯の効果)
 Lightning Resistance 75%

 さあ,残るは炎上娘だが,どうなることやら.
 最後に,先週拾った他のユニークアイテムを以下に列挙する.

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2014年2月16日 (日)

雑多感想 2/16

(一)
 朝日新聞DIGITAL(2/15 16:23) に《激戦ネット通販 「2強」楽天とアマゾンにヤフー攻勢》という記事が載った.
 ヤフーはヤフーショッピングに出店する業者の出店料や売り上げ(*) 連動の手数料等を無料にしたが,その結果店舗数が一気に増えて約29,000店となり,楽天の約42,000店との差を縮めたという.
 手数料無料でどうしてビジネスとして成立するのかと思えば,出店業者数を拡大することによる広告料収入が目当てらしいが,現状では手数料無料の影響でヤフーは減益となった.
 どうなることやら.岡目八目の感想をいえば,通販のヘビーユーザーは Amazon や楽天からヤフーへ軸足を移すことはないだろう.ヤフーショッピングにしか出店しない業者が数多くあれば別だが,もうそんな店はないのではないだろうか.
 (*) 最近知ったのだが,公文書では「売り上げ」と表記せず「売上げ」と書かねばいけないようだ.私は義務教育で習ったように書く.

(二)
 読売新聞(YOMIURI ONLINE) のコンテンツをみていると,記事中のリンクをクリックしたとたんに IE が動作停止することが多かった.
 この種のトラブルでは,問題のあるサイトを開き直してくれるはずだが,動作を停止したまま無反応になってしまう.
 IE10 の頃からこの症状が出始め,IE11 でも頻発し,そのたびにWindows7 がなにやらマイクロソフトに送信していた.
 朝日や毎日ではこういうトラブルはこれまで皆無である.
 ところが今日,いつものように動作停止した IE から「開き直す」とのメッセージがあり (これは初めて),そのボタンをクリックしたあとは全く問題なく動いている.
 読売のサイトと IE とどっちに不具合があったのかわからないが,結果オーライだ.

(三)
 結果オーライでないのは,ATOK だ.
 あるウェブページで日本語入力している最中に,例えば句読点とかのカスタマイズが無効になってしまう.設定を確認しても,カスタマイズしたままで特に変化はない.
 この症状は ATOK2010 のサポートが終了する少し前から,IE10 上で発生するようになった.
 IE11 ならいいかと思ったのだが,直らない.
 どうせ ATOK2010 はサポート切れなんだからというわけで ATOK2014 にしてみたが結果は同じ.
 仕方なく IE をやめて Google Chrome にしてみたが,この Google Chrome てのが実に使いにくい.
 デフォの設定で,パスワードを保存してしまうのである.パスワードを保存するかどうかは明示的にユーザーに訊ねる必要がある.それが当然だろう.
 その他にも余分なことを多々するのには呆れた.一日試用してみたが,使うのはやめた.
 それはともかく,ATOK2014 のサポートにも,とくにこれだという情報はない.同時にインストールされているソフトの影響が考えられるとか書いてあるだけだ.
 もしそうだとすると思い当たるのはゲーム“PATH OF EXILE”をインストしたことだが,これは当分アンインストールしないつもり.
 どうしよう.
 とかなんとか言いながら,心中ではネットブラウズするマシンとは別に“PATH OF EXILE”専用機なんぞを企んでいる私である.誰か叱ってください.

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2014年2月14日 (金)

飲酒煩悩

 先日,静岡の知人から「はるみ」が一箱届いた.
「はるみ」は 「清見」に「ポンカンF-2432」を交配して育成した柑橘の品種である.
「清見」 は温州ミカンと外国産のオレンジを交配したもの.
 これが実にうまいミカンで,大ぶりの実だが食後にペロリと食べてしまう.
 しかも皮がむきやすいときた.
 おいしくて食べやすいから一日に二個食べていたら,もう残りわずかとなってしまった.
 これはなかなか結構なミカンであるが,「はるみ」という名前がまたよい.
 私は都はるみのファンなのである.そうですか.

 まだ私が三十代で,学会出張でアメリカ (アリゾナの州都フェニックス) に行ったときのこと.
 宿泊したホテルの部屋の棚にミニ・バーがあり,バーボンが数種類置かれていた.
 ワイルド・ターキーという酒を口に含んだのはこのときが初めてだった.うまい酒だと思って,以来ワイルド・ターキーを自宅に常備している.
 それが在庫僅少となったので,通販で注文した.
 これまでは八年とか十二年のものを楽しんでいたのだが,今回はレア・ブリードとケンタッキー・スピリットにしてみた.
 いずれも初めて口にする.どんなんかなあと楽しみ.

 私は飲酒に際して酒肴にこだわりがない.
 こだわりというのはつまるところ煩悩であるからして,肴はなんでもいいというのが年寄りのあるべき姿かと思う.
 例えばスコッチに卵焼き,チーズと焼酎なんて組み合わせでも平気である.
 定食屋の朝,夜勤明けの人が目玉焼きで冷や酒のんでたりしますが,あれは実にうまそうですな.半熟の黄身に醤油を垂らして,これを白身にまぶしてチビチビと食べる.肴は半熟の目玉焼きがいいと八代亜紀も歌っている.歌ってません.字余りだし.
 果物もいい.昨日なんかは「はるみ」で焼酎をのんだ.
 冒頭のミカンとか都はるみを持ち出した伏線がここでようやく回収されたわけで,よかったよかった.違います.

 チーズも好きなのはスティルトンだが,ロックフォールも店でどうぞと出されれば喜んで食う.
 ではあるが,これまでゴルゴンゾーラ・ドルチェは食べたことがなかった.
 なんとなくチーズ界の軟弱者という印象を持っていたからだが,先日デパートの地下で夕飯用の串カツとか「三十種類の野菜のサラダ」なんてものを買っていたら,俺はこのまま三大チーズの一つの味を知らずに死んでいくのか,本当にすまなかったドルチェ,という唐突な考えが浮かび,急にこれまでのことを反省してドルチェの小さいカットを買ってみた.千二百円くらいだったかな.
 帰宅して早速串カツにウスターソースをぶっかけ,サラダを皿に移して在庫僅少ターキー八年をグラスに注ぎ,ドルチェを一かけら食ってみたら,あ~ら不思議あら不思議,ねっとりとおいしいじゃありませんか.
 もうこれからはチーズはゴルゴンゾーラに限る.
 あ,煩悩が増えてしまった.まあいいや.

 ドイツ文学者の高橋義孝というかたは,仏壇から下げた冷や飯を一粒爪楊枝にさし,これに醤油をちょっとつけて肴にし,酒をのんだと伝えられる.
 煩悩をことごとく去れば,このようにさしたる酒肴もなしでいいのかも知れない.
 そういう境地にはなれそうもないが.

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2014年2月12日 (水)

ハムとは何か その五

 つなぎにハモを使用する《幻の絶品ハム》に続いて,あきれた製法のハムを紹介する.
 このハムの製造業者も,やはり楽天ショップを出店しており,広告コピーの一部を以下に引用する.

1.《洞爺湖サミットにてG8首脳に出される朝食メニューに採用された○○ハムの逸品を是非お楽しみ下さい。
2.《本場ドイツのマスター (原文ママ) から直伝のドイツ製法を創業依頼 (原文ママ) 守り続けています。

 上の 1 のコピーは《「洞爺湖サミットにてG8首脳に出される朝食メニューに採用された○○ハム」の「逸品」を是非お楽しみ下さい》と解釈しなくてはいけない.(○○ハムは業者名)
 この業者の製品で洞爺湖サミットの朝食に採用されたのはベーコンとソーセージであってハムではないからである.紛らわしい.
 次の 2 の「マスター」はマイスターのつもりであろう.厳密には区別するほうがよい.「創業依頼」はコメントしない.(笑)

 で,原材料は以下のとおりである.

【原材料】
豚もも肉(北海道産)、粉末水あめ、食塩、ポークエキス、大豆たん白、乳たん白、た
ん白加工水分解物
(原文ママ)、リン酸塩(Na)、pH調整剤、調味料(アミノ酸)、酸化防
止剤(V.C)、発色剤(亜硝酸Na)、着色料(ラック、コチニール)

豚もも肉(北海道産)、粉末水あめ、食塩、ポークエキス》は問題ない.
大豆たん白、乳たん白、たん白加工水分解物 (原文ママ;正しくはたん白加水分解物)》は,このハムが水増しハムであることを示している.
リン酸塩(Na)》《酸化防止剤(V.C)、発色剤(亜硝酸Na)》はよしとして,《pH調整剤》とは一体何事であるか.
「pH調整剤」はコンビニ弁当でお馴染みの添加物であるが,コンビニの弁当や惣菜がおいしくないのは,グリシンとpH調整剤のせいであるといっていい.
 では,味よりも保存性を重視しているのはなぜか.
 賞味期限が短いと廃棄ロスが増えるからであるが,大手も中小も含めて他のハムメーカーが使用しないpH調整剤 (惣菜でもないハムにこんな添加物は表示したくないのである) を使っているのは,使わざるを得ないのであろう.これを使用しない素のままの賞味期限を訊いてみたいものだ.

 最後の《着色料(ラック、コチニール)》も,これまた一体何事であるか.
 他のハムメーカーが使いたくない着色料を使っているのは,使わざるを (以下同様).

 私は物好きなので《幻の絶品ハム》は試しに購入してみたが,《洞爺湖サミット》を宣伝広告するこの業者のハムは,さすがに買う気が起きない.G8首脳の朝食に採用されなくてよかった.

(続く)

【関連記事】
ハムとは何か その一

ハムとは何か その二

ハムとは何か その三

ハムとは何か その四

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2014年2月11日 (火)

PATH OF EXILE (7)

[バックナンバー(1)~(6)は,左のサイドバーの「爺ゲーマー」にまとめてあります]

 最初に PATH OF EXILE を起動して「?」と思ったのは,ゲーム画面の右下にキャラが使うスキルがマウスとキーボードのどこに割り当てられているかを示すボックスがあるのだが,マウスのボタンが左・中・右の三つになっていることだった.

 で,愛用のマイクロソフト製 Optycal mouse type3000 (もう販売されていないようだ) のホイールを押下すると,確かに反応してそのスキルが実行される (例えばファイアボールの呪文を詠唱するとか) が,クリックに力が必要で,とてもじゃないけれどホイールを押下することで呪文を連射するのは不可能だ.

 そこで暫くは左右ボタンとキーボードでプレイしていたのだが,キャラの使うスキルが増えてきたので,中ボタンにもスキルを割り当てることを迫られた.
「もしかしたらこれって 3ボタンマウスの使用が前提かも」と思って,Amazon で探してみたら,3ボタンマウスは今でも販売されていることがわかった.
 ただし民生用に販売されているのは二機種のみ.
 一つはヒューレット・パッカード(HP) の DY651A であり,もう一つはレノボの 31P7405.主としてCADソフト (中ボタンを繁用する) を使う人たちがユーザーらしい.

 HP DY651A はホイールが開発される前からある,純然たるワークステーション用の 3ボタンマウスで,スクロール機能はない.
 レノボ 31P7405 は,折衷型というか,ホイールの代わりにスクロールポインタというものが真ん中にあり,これはスクロール専用である.
 Amazon でレノボ 31P7405 の画像を見て頂くとわかるが,中ボタンはスクロールポインタとは独立していて,スクロールポインタが中ボタンの中ほどの少しへこんだところに置かれているので,中ボタンをクリックする邪魔にならないような工夫がされている.
 どちらがいいか迷ったが,とりあえず HP DY651A を購入してみた.
 実際に使ってみると中ボタンのクリック感も左右ボタンと同じく快適で,人差し指をわずかに動かして左ボタンと中ボタンのクリックを使い分ける.最初は少しとまどったが,すぐに慣れて中ボタンでも連射できるようになった.
 ただし,この HP DY651A は,最近のマウスを使い慣れていると,高解像度画面における感度の低さ (マウスポインタの移動速度が低い) がちょっとストレスではある.

 これが気になる向きには,性能のよい 5ボタンマウスにして,ホイールクリックを他のボタンに割り当てる方法がある.
 そこで試しに,5ボタンマウスの人気機種であるロジクール M950 (現在はもう後継機種がでている) のズームボタンにホイールクリックを割り当ててみた.
 しかしなにせ M950 は重すぎてゲームには使いにくい.それとマウスの左側面にあるズームボタンを押そうとすると,これは親指を使うので,マウスをきちんと保持できなくなる.そのためマウス本体を左右に動かしながらズームボタンを連続クリックするのはかなり無理があることがわかった.器用なゲーマーは苦も無くやってのけるのであろうが,私には無理であった.

 実際に 3つボタンマウスを使う段になると,HP DY651A の欠点は,もちろんホイールがないことである.
 ゲーム以外のPC使用シーンは主にウェブ閲覧であるが,ウェブサイトを閲覧するのにマウスにホイールがないのは,やはり使い勝手が悪い.
 そうなるとマウスは二台を併用ということになる.一つは HP DY651A だが,もう一つは,上に書いたマイクロソフト製マウスがだいぶくたびれてきたので引退とし,ロジクール M950 に交換することにした.

 私は一基のPCラックに四台のマシンを載せ,ラトックのPC切替機 REX-430UDA を介してディスプレイ,マウス&キーボード,パワードスピーカーに接続しているのだが,この REX-430UDA にロジクール M950 を接続する.
 そして PATH OF EXILE をインストールしたPCの背面の USB ポートに HP DY651A を接続する.
 こうしておいて,PATH OF EXILE をプレイ中はロジクール M950 をオフにする.オフにするのは,振動とか何かの拍子に M950 からの信号でマウスポインタがあらぬ方向に飛び,キャラが窮地に陥らぬようにするためである.
 レノボの 31P7405 も試用してみて,これが使い物になるようならマウス一台に戻す予定.以上,PATH OF EXILE のプレイ環境を改善した話であった.

 先週は Act2 の中盤まで,各キャラを進めてみた.
 これまでのところ,攻撃力が一番強いのは弓乙女で,次がファイアストーム連打の炎魔女.戦いが安定しているのは片手剣の「盾持つ姫君」と杖を振り回す爺だ.他のキャラはアイテム運が悪くて,ちょっと苦戦気味なので暫くほったらかしにしておいて,このキャラたちで Act2 のボスキャラと戦うことにする.
 先週手に入れたユニークアイテムは楯と指輪が一つずつだった.

Kaltenhalt
 冷気耐性向上が役に立ちそうなので,これは片手剣の姫君が使うことにする.

Kaomssign
これはただのレアアイテム並の性能だ.倉庫にしまったままになるだろう.

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2014年2月 9日 (日)

雑多感想 2/9

(一)
 毎日新聞(Web版 2/1 17:42) に《高齢者万引き:摘発増え未成年と逆転 孤独、不安》との見出しの記事が載っていた.
 奈良県警が公表したところによると,奈良県内で2013年に万引きで摘発された六十五歳以上の高齢者は380人で,未成年者は231人.高齢者が未成年者の1.6倍もいる.万引きは高齢者犯罪の代名詞になりつつあるらしい.
 同記事には《専門家は「生活苦だけでなく、孤独感や所在のなさという心理的な要因が大きい」と指摘する》とあるが,どんな専門家だ.老人問題と万引きの両方に詳しいって,ニッチすぎはしないか.(笑)
 更に《県警生活安全企画課は「高齢者の場合、お金に困っての犯行というケースは少なく、出し惜しみがほとんど。背景には漠然とした将来への不安があるのかもしれない」と分析する》ともあって,こちらは情報ソースが書かれている.
 私が小学校から高校までの時代を振り返って,その頃は万引きはまだ今ほど大っぴらではなかったように思う.
 だから,いま万引きに走っている年寄り達が,かつての万引き少年の成れの果てだというわけではない.
 私が思うに,万引きしない人間は,どんなに金に困っても万引きしない.
 だから万引き老人は,子供時代に万引き衝動を抑圧されていただけであって,世が世なら立派な万引き少年であったはずの人々ではないだろうかと思うが,よくわからない.

(二)
 酒井雅楽守とか柳生但馬守は殿様だ.
 稀代の詐欺師,佐村河内守の名を初めて目にしたとき,さむらかわちのかみ と読んだのは私だけではないはず.どんな殿様だ.あ,私だけですか.そうですか.すみません.

(三)
 私の現住所の近くには商店街がない.私鉄駅まで歩いて電車に乗って一駅先にJRの駅ビルはあるが,その周辺にも商店街はない.
 あるのは夕刻から開店する飲み屋ばっかりだ.私の財布にとって不幸なことに,飲み屋の数はたいへん多い.
 幸いにもその駅ビルには小さなデパ地下とパン屋,書店と文具店(ミニロフト)はあるので助かるが,それ以外のここで間に合わない買い物はすべて通販に頼ることになる.
 Amazon が「予期的な配送」で特許を取得した.私は明細書を読んだわけでもないのであるが,週刊アスキー誌に山崎浩一が書いている解説によると,要するに注文履歴や検索履歴に基づいて顧客が必ずや発注するであろう商品を予測し,近くの配送業者の倉庫にあらかじめ送り込んでおき,注文があったとたんに配送されるというような予測技術らしい.
 今でも Amazon にサインインすると,おすすめ商品がズラリと並ぶわけだけれど,あれの進化形だろう.注文が確定してから配達されるまでを究極まで短縮しようということである.
 しかしこれは配送業者の倉庫を Amazon の倉庫として使うともいえるわけで,「予期的な配送」技術が完璧でないと,ただでさえ配送単価の安い Amazon の荷物が倉庫に滞留して配送業者としては困ったことになるだろうなあ.
 「予期的な配送」技術が完璧だとどうなるか.
 シャッター商店街どころか,郊外型スーパーもショッピングモールも,ホームセンターも,およそ Amazon と競合している業態は大打撃を受けることになる.わざわざ買い物に行かなくても,まるでピザの宅配のようにすみやかに届けてくれるわけだから.
 そうなると安泰なのは飲食店,とりわけ飲み屋だ.
 小料理「真砂」の静恵婆さんも,パブ「梢」の美香ちゃんも,そもそも Amazon と戦う気は無く,デリバリはしてくれない.私が出かけていくしかないのである.どこの店だよ.
 これからもデリバリ料飲店,すなわち略してデリ飲,誰が略したかというと私ですが,という業態が現れることはないだろう.
 
 私の住居に近いJRの駅周辺の,飲み屋しかない繁華街は, Amazon が全国を制圧しても生き残る近未来型なのかも知れない.

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2014年2月 8日 (土)

ハムとは何か その四(2/9追記)

 楽天ショップで,ハモをつなぎに使用していることを標榜している業者の製品の続き.
 前回の記事は,その業者が《幻の絶品ハム》と自讃するハムが「くん液」を使用しているところ迄であった.

「くん液」は,燻製せずに燻製食品と同じ香りを付与するのに使用される添加物である.
 Wikipedia【燻製】から以下に引用する.
燻製液(いわゆる木酢液)に食品を漬けてその後、乾燥させる液体燻製という手間を省く手法が食品加工業界では多用されている。木酢液は市販もされているが、ほとんどは食用ではなく、食品用に精製されていない木酢液には発がん性物質(タール分)も含まれているので、食品には利用すると健康上の問題を発生させる事がある。食用に精製されたものは燻製液または燻液などの名称で販売されている》とある.
 「くん液」は,いわば燻製ではないのに燻製のように見せかける香料であって,本来の燻製とは縁もゆかりもないものである.
 実は,この「くん液」は日本人の発明で,開発したのは萬有栄養株式会社の創立者である岩垂荘二という人物.
 同社のサイトには次のように書かれている.
終戦後、アメリカは、日本人の食糧事情の悪化を打開するために蛋白源として鯨を捕ることを許可し、鯨肉の消費が増え、鯨の腹皮が大量に出ました。これに液体燻製法を適用して、鯨ベーコンをつくり、人々の蛋白不足や栄養失調から救うことに貢献できたのです。

「くん液」は戦後の食糧危機の頃のわびしい発明であって,今は安物の珍味類でもなければ使わない.
 それを,この業者は《幻の絶品ハム》に堂々と使用していることに驚く.
 ひょっとすると,この業者がいう「昔ながらの製法」とは,戦後の食糧危機時代の製法ということなのかも知れない.
 それはともかく,製造者にとっては燻製せずに「くん液」で着香することのメリットがあり,それは長時間燻製すると肉が乾燥して重量が減るのを避けることができることである.
「加工でん粉」を使って水をインジェクションすることといい,「くん液」で着香していることといい,この業者の頭には,おいしいハムを作ろうという気はなく,ただもう添加物使用でコストを下げることしかないと思われる.
 この業者の楽天ショップには,この水増しして「くん液」で着香した《幻の絶品ハム》について《京都の有名料亭で扱う高級魚ハモをつなぎとして贅沢に使用した幻の○○ハム》と書いてある.(「○○ハム」は業者名かつ商品名)
 最初このコピーを読んだときには京都の有名料亭に《幻の絶品ハム》を出荷しているのかと勘違いしたが,「京都の有名料亭で扱う高級魚ハモ」を「つなぎとして贅沢に使用した」という意味であることにすぐ気が付いた.でも,ハモは京都の料亭でしか扱っていないわけではないぞ.(笑)
 《幻の絶品ハム》のコピーで笑えるのは,楽天ショップに商品を掲載しておきながら《スーパー、百貨店、インターネット等では、一切販売していません》と書いていることだ.(爆)
 爆笑だけならいいが,私が購入した《幻の絶品ハム》のスライス品の商品説明には「厚みが 2mm」と書いてあるのに,実測したら 1.5~2mmであった.
 しかも,パッケージの中に,ハムから浸みでたピックル液が 1cc ほど溜まっていた.
 これは,普通のハムは包装前に加熱殺菌するのだが,《幻の絶品ハム》は包装後に加熱しているからだと思われる.
 加熱処理によって,むりやり注入したピックル液を保持できなくなったようだ.
 水増し粗悪ハムをフライパンで焼くと,水が浸みでて収縮してしまうが,それと同じである.

 ここで比較のために,私がよく購入している伊藤ハムのボンレスハムの原材料表示を示す.
[原材料]
 豚もも肉,食塩,砂糖,リン酸塩(Na),調味料(アミノ酸等),酸化防止剤(ビタミンC),発色剤(亜硝酸Na),香辛料

 伊藤ハムのボンレスハムは燻製していない.もちろん「くん液」なんぞは使用していない.
 本来のハムは燻製するものだが,「くん液」を使うくらいなら燻香をつけないほうがよろしい.
 さて肝心の《幻の絶品ハム》の味であるが,試食してみた結果は,「これのどこが絶品なんだ」ということであった.言うまでもないことである.

 よく本物志向ということが言われるが,確かに地方の中小零細なハム製造業者には,本物志向でまじめな製品を作っているところがある.
 しかしその一方で,以上に紹介した《幻の絶品ハム》のようなハムもある.
 余談がなかなか終わらないが,次回は,もう一社のあきれたハムを紹介する.

(続く)

【関連記事】
ハムとは何か その一

ハムとは何か その二

ハムとは何か その三

ハムとは何か その五

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2014年2月 7日 (金)

貧者の鮭

 和洋中を問わず外食店で常態化していた食材の虚偽表示問題を受けて,消費者庁が昨年末にたたき台を公表した適正表示ガイドラインについて,同庁はサーモントラウトは標準和名がニジマスであるから,これを「サケ」と表示することは景表法上問題があるとしていたが,昨日の国会で森雅子消費者担当相は,ガイドラインが想定しているのはレストランであり,レストランでスモークサーモンの名称でニジマスを使うのはだめだが,サケ弁当は許すとの答弁をした.
 その理由は,弁当屋と比較してレストランの場合は,がっかり感が大きいからだめだということらしい.
 この理屈でいうと,回転鮨屋も持ち帰り弁当店と同列の扱いになって,お目こぼしされるのであろう.非論理的で,腰のすわっていないことが明らかな前言修正である.(*)
 ニジマスをサケと称していたことが判明して「がっかりする」店と「がっかりしない」店をどのように区別するのか.消費者クレームが消費者庁に届け出されたときに個別判断するのか.そんなマンパワーを消費者庁はもっているのか.地方自治体に権限をもたせるといっているが,そんな権限を持たされたら自治体が困るのではないか.
 そもそも「魚介の料理には標準的な和名を使用せよ」といえば一件落着の話なのに.私は回転鮨でロコ貝を注文するのは一向に構わぬ.あれをアワビと呼ぶほうがいやだ.

(*) 騒動の最中にはあれだけ冷凍魚は鮮魚ではないと煽っておきながら,いまは冷凍魚は鮮魚としてよいという.これもニジマスと同じく,大衆居酒屋では構わないが料理屋ではいけないというダブルスタンダードにするのであろうか.

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2014年2月 5日 (水)

永山久夫氏の主張

「旅行読売」二月号に,料理研究家の永山久夫氏が《無形文化遺産「和食」 世界を魅了した理由とは》と題した文章を寄せている.
 読んでみると,日本料理ビジネスを世界に売り込もうという政府の提灯持ち的な内容であった.
 永山氏がそこで書いている内容は政府のパンフレットそのままで新味がないこと甚だしいが,文中に《日本人はご飯を食べて、魚、大豆、野菜、海藻をおかずにする。この和食が世界トップの長寿大国にしているのだ》とあるのは見過ごせない.
 永山氏は政府のいうとおりに《栄養バランスに優れた和食の基本「一汁三菜」》として一汁三菜を礼賛しているのだが,一汁三菜それ自体が良好な栄養バランスを保証しているわけではない.
 私がこのブログに今まで書いてきたことの繰り返しは避けるが,日本人の食事における良好な栄養バランスが達成されるにあたって功あったのは,冷凍技術の発展とチルド流通網の充実であった.
 これによって,内陸部でも,塩蔵魚ではない生鮮魚介,あるいは畜肉および乳製品,塩蔵以外の新鮮な野菜を日常的に購入できるようになったことの意義は大きい.
 一汁三菜などという形式的なことは実はどうでもよいのである.要は食事の中身であるのだ.
 永山氏を「食文化史評論家」と紹介する向きがあるが,一汁三菜が和食の基本形だとする政府と同じ主張をしている姿勢だけで,もう「食文化史評論家」ではありえない.日本人の食事を,時代による変化も,経済力の差による食事内容の階層性も無視して語る「食文化史評論家」がいるわけがないのである.

 永山氏がいう《和食が世界トップの長寿大国にしているのだ》に戻る.
 日本人の平均寿命 (零歳児の平均余命) が長くなった (一般にこれを指して「日本人は長寿」といっている) のは,まず第一に我が国の医療技術力の高さと,誰もが医療の恩恵にあずかれる国民皆保険という社会制度の効果であるのは常識である.戦後,幼児死亡率が大幅に低下したことが,数字としての平均寿命を長くしたのである.加えて,寝たきりでも何年か無理やり生かされる医療の効果もあるだろう.
 上述は,我が国の平均寿命が戦後 (ドメスティックに) 伸長し続けたことは医療に支えられていたという話であるが,永山氏が《和食が世界トップの長寿大国にしているのだ》と,他の諸国と比較論を持ち出して,平均寿命の伸長が「和食」のおかげであるというならば,その科学的根拠を示せといいたい.おそらく何も持っていないはずである.
 ちなみに平成元年に政府が設立した公益財団法人長寿科学振興財団のサイトには《日本人の平均寿命がなぜ長いのか、これに対する答えを出すには、様々な国に住む集団を対象にして、数多くの長寿要因に関する詳細な国際的比較研究を行うことが必要です。しかし、そのような研究の実施は難しく、問いに対する明確な答えは今のところ出されていません》と書かれている.

 最近,高橋酒造株式会社という酒屋さんが,全国の二十代~六十代の日本人五百人を対象にして,日本人の「和食」の喫食率に関するネット調査を実施した.(実施日は2013/12/6~12/8)
 同社のサイトから調査結果の一部を引用すると《一汁三菜を基本とする「和食」の喫食率を尋ねたところ、毎日食べる人は全体の約23%、ほぼ毎日食べる人を含めると全体の38%で、その割合は年代と共に低下し、20代~30では約2割にとどまりました》とある.
 ネットアンケートであるからバイアスはかかっているはずであるが,我々の実感からしても概ねそんなところかなと思われる.
 すなわち「一汁三菜の和食」を食べている人は実は少数派である.「一汁三菜の和食」は,少しの「菜」で大量の米飯を食べる伝統的日本食が,経済成長に伴って食事の内容が欧米化していく過程の一時期に現れたものなのである.
 その後さらに欧米化が進行し,いまや国民の四割,若い人たちならわずか二割しか「一汁三菜の和食」を食べていないが,永山氏の主張に従えば,彼ら若い世代は今後早死にしていくだろう,日本人の短命化が進むだろうということになる.(笑)
 そういえば昔,日本人の食事が欧米化していくのと同じころ,農水省食品総合研究所 (現在は独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所) にいた某氏が,戦後の日本人は食品添加物を大量に摂取しているから,今後は短命化が進むと主張し,著書がベストセラーになった.
 しかし今はもう,その虚説と共に某氏の名前も忘れ去られた.永山氏は,食事と寿命についてものを書くのを慎重にしたほうがいい.

[関連記事]
三里四方に          2008年3月20日
「和食」とはなにか      2013年10月25日
「和食」とはなにか その二  2013年12月9日
「和食」とはなにか その三  2013年12月12日
「和食」とはなにか 番外編  2013年12月22日
「和食」とはなにか 番外編の二 2014年4月30日

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2014年2月 4日 (火)

古書の購入

 先日の記事「電子貸本屋の閉店」(2/1) に「古本屋に売るくらいなら自炊」と手拍子で書いてしまったが,実は私はたまに古書店で本を手に入れることがある.
 以前は新刊本しか買わなかったし,今でも新刊と中古があれば新刊の方を買うが,ネット古書店のサイトを閲覧していると,絶版になってしまった書籍が出品されていることが多々あり,古書店とはありがたいものだと思うようになった.
 最近では故・荻昌弘の名随筆『男のだいどこ』のハードカバー版を購入して再読した (これは,不定期に連載している「ハムとは何か」を書いているうちに,荻昌弘が『男のだいどこ』の中で塩蔵牛タンの自作について記していることを思いだし,亜硝酸ナトリウムに関してどのような考えを持っていたかを確認したかったからである).

 三上延『ビブリア古書堂の事件手帳』には,最近の古書店は以前からのカタログ通販の他に,ネット通販にも力を入れているように書かれている.
 多くの人が私と同じだと思うが,なかなか古書店にでかけて欲しい古書を探す時間をつくりにくい.
 また古書カタログ通販は慣れないと敷居が高いだろう.
 そこにいくと,ネット上の古書検索サイトはとても便利である.
 これは,多少のタイムラグはあるだろうが,リアル古書店の在庫をほぼ反映していると思われ,検索してみて在庫がないようであったら,その時点では販売されていないのだと思うしかない.

 古書検索サイトで珍しい専門書をみつけて発作的に買ってしまうこともある.
 もう何年も前のことであるが,私は『暫定標準食品輸入食品栄養価分析表』(昭和二十二年刊) と『日本食品衛生史(大正・昭和前期編)』『日本食品衛生史(昭和後期編)』(共に昭和五十七年刊) を購入した.
 前者は我が国の食品化学と栄養学に関する戦後史の重要な資料であり,後者の二冊は,今でも有用な食品衛生学史の貴重な書籍である.
 こういう類の書籍は,自炊なんかしちゃいけないなと思う.私がもうろくして,もう再読する必要がなくなったら古書店に売って,必要とする人の手に渡るようにするべきだろうと思う.

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2014年2月 3日 (月)

ハムとは何か その三

 「ハムとは何か その二」で紹介した,ハモを「つなぎ」に使用していることを製品の差別化ポイントにしている某業者の,腿ハムの原材料を再掲すると以下の通りである.

原材料
 豚もも肉,つなぎ (はも),食塩,でん粉,加工でん粉,調味料(アミノ酸),酸化防止剤(エリソルビン酸ナトリウム),ナイアシン,リン酸塩(Na),発色剤(亜硝酸ナトリウム),香辛料,くん液

「豚もも肉」「つなぎ (はも)」「食塩」「酸化防止剤(エリソルビン酸ナトリウム)」は特に問題ない.

 ハムやソーセージに,肉の色をきれいなピンク色にみせるために「発色剤(亜硝酸ナトリウム)」を使用することについては賛否両論ある.
 否定的な人は,そんなものを使わなくてもハムはできるぞ,と言う.確かにその通りである.しかし発色剤不使用のハムやソーセージを見て食欲を失う人がいることもまた確かなのである.
 私がまだ若い頃,日生協の幹部のかたの話をうかがったことがある.
 その人は,食品添加物を全面的に否定する必要はないとの考えをもっていて,例えば肉加工品の発色剤は必要悪ですねと言った.
 ある日,若い開発担当者が「発色剤不使用のフランクフルトを試作したのでみてください」と言って,皿にそのフランクフルトソーセージを一本載せて持ってきたそうである.
 「そのフランクフルトがですね,色と言い形と言い,まるでウ○コみたいでして,こんなもん売り物になるかと却下しました」とその生協幹部は語った.

 閑話休題.
 この亜硝酸ナトリウムとワンセットになっているのが「酸化防止剤(エリソルビン酸ナトリウム)」である.
 肉加工品に亜硝酸ナトリウムを添加する場合は,亜硝酸ナトリウムから発癌性物質のニトロソアミンが生成するのを防ぐために,酸化防止剤は,必須の添加物である.アスコルビン酸(ビタミンC) も同じ目的で使用される.また両者を併用する場合もある.

 「ナイアシン」は肉加工食品の肉色を保持する目的で使われる添加物であるが,ハムに使用することは珍しい.普通は亜硝酸ナトリウムで充分のはずであるが,これを添加している理由が私にはわからない.

 次は「調味料(アミノ酸)」.
 現在の食品添加物表示で問題なのものの一つが,この「調味料(アミノ酸)」である.本当に調味の目的でグルタミン酸ナトリウムを使用しているのか,あるいは日持ち向上効果を有するグリシンの使用を明らかにしたくないのでこう書いているのかが,この表示方法ではわからないからである.従って,塩と香辛料が本来のハムの製法における調味料であるが,としかコメントできない.

 「リン酸塩(Na)」は,高価格帯の骨付きハム以外のハムでは,もも肉から筋や余分な脂身を取り除いたあと,これをまとめ,糸で縛って太い棒状に成型結着するが,そのための結着剤である.従って骨付きハムには使われないが,肉片を結着して作る低価格帯のハムは,ほとんどがこれを使用している.

 さて問題は,原材料表示で残された「でん粉」「加工でん粉」「くん液」である.
 まず「でん粉」「加工でん粉」について.
 これらを使用する目的は,水分の保持である.肉が元々持っていた水分ではなく,肉にあとから水を注入し,文字どおり「水増し」するために必要なのである.
 どういうことかというと,本来の製法でハムを作ると,塩蔵や乾燥,燻蒸工程があるために水分が失われて,原料肉よりも重量が減少する.
 これでは単位重量あたりの製造コストが上昇してしまうため,製造業者としてはこれを防ぎたい.
 どうするかというと,インジェクションと呼ばれる製造工程で,塩や香辛料や発色剤等の水溶液 (ピックル液) を注射する際に,同時に水分保持力の強い「でん粉」「加工でん粉」をピックル液に溶かして注入する.
 こうすると,やり方によっては出来上がったハムの重量が元の肉よりも重いという奇怪なことが起きる.

 前の記事で,このハモを使用したハムの製造者は「○○ハムは昔ながらの製法で一つひとつ丹念に作られている」と宣伝していると書いたが,「でん粉」「加工でん粉」をインジェクションした水増しハムが「昔ながらの製法」であるわけがない.真っ赤な嘘である.
 もう一つ,「昔ながらの製法」でない点がある.それが「くん液」と呼ばれる食品添加物の使用である.(「くん液」の「くん」は燻製の「燻」のこと)

(続く)

【関連記事】
ハムとは何か その一

ハムとは何か その二

ハムとは何か その四

ハムとは何か その五

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2014年2月 2日 (日)

雑多感想 2/2

(一)
 時の人となった小保方晴子さんと周辺の方々へのマスコミの取材が異常さを増して,遂に小保方さんからマスコミに対して取材自粛が要請される事態となった.
 これについて J-CASTニュース(2/1 13:47 配信) が《取材過熱で周囲に迷惑、ウソ報道も 小保方さん「報道関係者へのお願い」にネットで同情の声》と題する記事を載せた.
 この記事は,見出しだけは過剰な取材を批判する内容のようにみせかけて,実はその記事の末尾に《「嫌なら発表なんかしないで大事にしまっておけよ。都合のよいことだけ報じてもらおうなど虫が良すぎるわ」といった反発の声もないわけではない》と書いている.
 どこかで炎上騒ぎでも起きているならともかく,黙殺すればそれで済むネット上の一発言を,わざわざ取り上げて紹介するところに J-CASTニュースの姿勢が示されている.
 すなわち《都合のよいことだけ報じてもらおうなど虫が良すぎるわ》は J-CASTニュースの報道姿勢である.ネイチャー誌に掲載される前に記者会見を開いた理研と小保方さんへの反感を,バイアスのかかったネット上の意見を借りて姑息に示したわけだ.

(二)
 昨日,メインPCを起動したまま暫く放っておいて,机に戻ってみたら Windows アップデートがインストールされて再起動が終わった状態になっていた.
 それはいいのだが,IE が11になってしまった.私は ATOK2010 を使っているのだが,IE11 と ATOK2010 は相性が悪いらしく不具合が発生する.ついでだから ATOK を,もうすぐリリースされる2014にしようかなと思う.
 ブラウザを他のものにして ATOK2010 を使い続ければいいのだけれど,時々は ATOK を購入して,この文化遺産みたいなソフトウェアにテコ入れしたいという気がするのである.若い人達はもう ATOK という名称すら知らないのが寂しい.

(三)
 今や二月三日の節分は,豆はまかなくても恵方巻きなる愚劣なものは食うという恥ずかしい世の中とはあいなった.
 大体において,縁起の良い方角を向くのであれば,拝むとか祈るとか,そういうのが自然な振る舞いではないのか.
 それをなんだ,巻き寿司を丸かじりするというのは.まるで意味不明ではないか.
 なぜ巻き寿司なんだ.どうして恵方を向くんだ.そもそも邪気払いの風習である節分に,恵方を持ち出した理由はなんだ.
 こういうことについて,きちんとした根拠資料もなく,商売人たちがああだこうだと言っているから,恵方を向いてロールケーキを食うと開運ですよとか,今はもうわけがわからなくなってしまっている.
 最近では七種の具が入っているから七福神だとかいってるが,これは後付けだ.東京でコンビニが阿呆巻き,違います,恵方巻きをはやらそうとした時には,そんなこと言ってなかったぞ.
 幸い私の周囲には,人前で恵方巻きを食うなんぞという,はしたない人間はいないが,恵方巻きをかじり食いしているのを横からみたら,ほんとに恥ずかしい姿だろう.巻き寿司は切って食えといいたい.

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2014年2月 1日 (土)

電子貸本屋の閉店

 私は電子書籍のユーザーではないので知らなかったが,ローソンが2011年7月に開始した電子書店「エルパカBOOKS」が2014年2月24日でサービスの提供を終了するという.(ただし「エルパカBOOKS」は紙と電子の両方を扱うサイトで,撤退するのは電子書籍サービスのみ)
 ローソンはユーザーが購入した電子書籍相当の金額を Ponta ポイントで三月中旬ごろまでに返金する考えだと伝えられる.

 電子書籍でダウンロード型の販売があるのかどうか知らないのだが,ローソンのようなクラウド型の電子書籍ビジネスは要するに貸本屋であって,事業者が撤退すれば借りた本は返却が必要であり,当然読めなくなってしまうことになるわけだ.

 書籍ではないがレーザーディスクとかビデオのベータとかは今でも負け組消費者のあいだの語り草だし,あるいはソニーの電子手帳事業撤退なんぞは詐欺のようなものだった (私は今思い出しても腹が立つ) から,Ponta ポイントで返金するというローソンは誠実だと思う.
 ま,消費者を騙すようなことをすればローソンのビジネス本体にダメージがあるから,誠実に敗戦処理しなければならぬわけだが.

 さて巨大掲示板で,このローソンの撤退がどう受け止められているかを読んでみた.
「紙の本が最強」「自炊が最強」「どうせ楽天もいずれ撤退するから,Amazon が最強」という反応が多い.
 いずれも同感.
 愛蔵したい書籍は買う.中身のデータを保存すれば捨てても良い本というのがあって,それは自炊して pdf 化する.一度しか読まないようなコミック類は Kindle でいいだろう.(実は Kindle を買いたいと思っている)

 いま通勤時に三上延『ビブリア古書堂の事件手帳 第五巻』を読んでいる.
 登場人物の一人,ホームレスの志田は新潮文庫の小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』を何度も繰り返して読んでいる.
 私にはそれほどの愛蔵本はないが,とっておきたい本はある.
 昔は,思い入れのある書籍でも置き場所がなければ手放さざるを得なかったが,今は古本屋に売るくらいなら自炊するという手段があり,これはありがたいことだ.
 今部屋にある本棚が本であふれてきたら (あと一段しかない),専門書の電子化を始めようと思っている.

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