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2013年11月25日 (月)

不可解な事件

 読売新聞 (11月23日) によると,三重県警四日市北署は同県川越町の男性職員二人を,捕獲した猫を捨てたとして,動物愛護法違反 (遺棄) の疑いで津地検四日市支部に書類送検した.
 四日市北署の説明では,職員二人は昨年の10~11月にかけて,住民からの苦情を受けて捕獲したり引き取った猫三匹を四日市市山村町の山林に放したという.
 川越町では従来,捕獲した猫を県桑名保健所に送っており,三重県内では昨年度,2978匹の猫が殺処分されている.
 職員二人が猫を山林に放したのは,殺処分されるのがかわいそうだと思ったからだと川越町環境交通課は説明している.

 さてここで奇妙なのは,職員二人を県警に告発したのが動物愛護団体のNPO法人・グリーンNet (三重県鈴鹿市) だというところである.すなわち新聞記事をストレートに解釈すると,動物愛護団体が,猫三匹を殺処分送りにするよう警察に求めたということになる.
 一体これはどういうことか.この事件の意味するところが理解不能なので,ネットを検索してみた.
 すると昨年の秋に次のような事件があったと,複数の掲示板に書かれていることがわかった.
(1) 三重県亀山市みどり町で,野良猫が増えすぎて住民から苦情がでた.
(2) 行政機関で相談して,捕獲して保健所へ送ると決めた.
(3) グリーンNetが猫を保健所へ送るなと言って,町が捕獲した猫全数を引き取った.
(4) ところがグリーンNetは引き取った猫を町の中に放した.
(5) その結果,野良猫の被害は減らず,グリーンNetは三重県から事情聴取を受けた.

 掲示板に書かれている件については,グリーンNetのブログには何も載っていない.ただし川越町の件については,次のような記事が載っている.
《遺棄された猫は、ご飯をくれていた飼い主も餌やりさんも失います。「逃がした」と言えば聞こえはいいですが、遺棄は、飢えに苦しみ死に至らしめる犯罪です。》

 掲示板に書かれていることが事実なら,《「逃がした」と言えば聞こえはいいですが、遺棄は、飢えに苦しみ死に至らしめる犯罪です》は自分達がやったことではないか.
 だとすると県警に告発した動機は「私達がみどり町で猫を放したのをいけないと言うなら,川越町の職員だって同じ事をやっているから不公平だ,許せない」ということだろうか.
 掲示板に書かれていることがデマだったとすると,(掲示板にはデマだという書き込みもある),グリーンNetの告発の意図は「逃がしたと言えば聞こえはいいですが,遺棄は飢えに苦しみ死に至らしめる犯罪です.そもそも職員らが野良猫を捕獲したことがいけないのです」なのだろうか.確かに後者の見地に関してグリーンNetは,野良猫による住民の被害は受忍すべきである,捕獲してはならぬと主張している.

 ネット上は新聞報道を拡散する記事であふれていて,理解に必要な告発内容に関する資料が見当たらないので私の感想は控えるが,もしかしたらグリーンNetは川越町職員による「捕獲」を告発したつもりなのかも知れない.だがしかし警察は職員を「遺棄」で送検したことが結果として残った.ブログにはなんのアナウンスもないが,上に書いたように,グリーンNetの意図はどうあれ,事実上これは動物愛護団体が野良猫を殺処分送りにするよう警察に求めたということになる.この結果についてグリーンNetは満足しているのか.どうも動物愛護団体の世界はよくわからない.

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