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2013年10月30日 (水)

過剰反応

 昨日朝アップした記事に私は
《ところで船場吉兆事件(2007年,2008年)は料亭が舞台だったが,最近はディズニーホテル,プリンスホテル,そしてつい先日の阪急阪神ホテルズ事件,今度のザ・リッツ・カールトン大阪と,続いてホテルばっかりだ.ホテル業界の皆さんは今頃どうしているのだろう.消費者庁に行こうかどうかと慌てふためいていなければよいが,消費者庁は今,食品表示法の仕事で忙しいのだよ.》
と書いた.

 するとその日午後,JR四国は「ホテルクレメント徳島」「ホテルクレメント宇和島」「四万十いやしの里」の三施設で,メニューに書かれたことと異なる食材を使っていたと発表した.
 朝日新聞デジタルによると,このうち「ホテルクレメント宇和島」のレストランでは昨年から,朝食の漬物二種類のうち一種類が既製品なのに「自家製」,またかなり以前から市販の牛乳を「フレッシュ」としていたというが,これは阪急阪神ホテルズの例と同じで,道義的にアウト.

「四万十いやしの里」のレストランでは「地元朝とれ有機野菜」「地場野菜」とメニューに記しながら市場から仕入れた野菜を使っていたという.しかしながら,市場から仕入れたとしても,実際に有機野菜であれば問題ない (「地元」「朝とれ」と「地場」は明確な常識がないだろうから) わけで,報道だけでは詳細不明につき「四万十いやしの里」のサイトを見てみたが,アナウンスはまだなかった (30日午前1時現在).

 問題は《「ホテルクレメント徳島」のレストランで昨年11月1日以降,「和風ステーキ膳」の食材に牛脂注入肉を使いながら明記していなかった》という朝日新聞デジタルの記事である.何が問題かというと,牛脂注入肉であることをメニューに書かねばならぬという規制は全くなく,牛脂の注入は,脂肪の少ない赤身肉に旨味を付与する食肉加工技術の一つだからである.「ホテルクレメント徳島」の広報担当者は「牛脂注入肉を明記する必要があると知らなかった」と言っていると朝日新聞デジタルは報じたが,別段明記する必要はない.和風ステーキ膳の価格は3811円だというが,ホテルのレストランがボッタクリしていいのか,という道義的な問題があるだけである.ボッタクリかどうかは,実際にそのステーキ膳を食べて見てレストラン利用客が判断すればよいことだ.
 広報担当者は,消費者庁へ問い合わせたところ,牛脂注入肉の無断使用は景品表示法に抵触する恐れがあると指摘されたと証言しているらしいが,消費者庁がほんとにそんなことを言ったとすれば,そちらの方が問題である.この件は上に書いたように当該ステーキ毎に個別に判断されるべきことで,もしこれが一般論として景品表示法に抵触するなら,赤身肉と脂身を調合して作るハンバーガーチェーンのパテは,メニューにその旨を明記しなければ景品表示法に抵触するおそれがあることになってしまう.赤身肉と脂身の調合は,全国で一定の味のパテを提供するための調理技術であるからして偽装でもなんでもないのに,大丈夫か消費者庁.

【追記】
「ホテルクレメント徳島」のサイトには,この記事を書いた時点で,ステーキの件に関するアナウンスはない.同サイト“ News & Topics ”のトップは,ホテル開業20周年記念企画・田原俊彦ディナーショー開催のお知らせである.ショーのお値段はお一人様三万円.このお値段にも道義的な問題はないと思われる.ヾ(^^;)

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