« 勝者は私だ | トップページ | 驚異のマイナス電子 »

2013年10月10日 (木)

また逢う日まで

 少し前のことだが,毎日新聞の連載『火論』で玉木研二編集委員が以下の要旨のことを書いていた.

《62年前の夏に会う》(要旨)
毎日新聞 2013年9月3日 東京朝刊
 現在は相模原市緑区である藤野というところで1951年の夏,日連小学校(現藤野小学校)の児童99人がエキストラで参加した映画『花荻先生と三太』(鈴木英夫監督,大映配給)が撮影され,翌春公開された.この映画は,わんぱく少年の三太と花荻先生との心の通い合いを描いたもの.日連小学校同窓生のあいだで『花荻先生と三太』をまた観たいという声が起こり,東京国立近代美術館フィルムセンターや相模原市の支援でデジタル化が行われて上映会が実現した.上映会には280人が県内外から集まった.

 私の生年は1950年なので,上の記事にある62年前の児童達は,私よりも一世代上である.映画といえばアニメしか知らない今の子供達は見向きもしないであろうが,昭和二十年代から三十年代にかけては,小学生でも理解できる映画,児童向けの映画が製作されていた.『花荻先生と三太』は,児童雑誌の連載をもとに NHK ラジオの連続ドラマにもなって人気を博した『三太物語』が原作であるが,この他にもラジオドラマを原作とする映画作品は『紅孔雀』などいくつもあった.文学作品の映画化もあり,下村湖人『次郎物語』や山本有三『路傍の石』が児童向け脚本で製作された.

 私が小学校の頃に観た映画で,今でも思い出すものの一つに『また逢う日まで』がある.
 『また逢う日まで 』(今井正監督)の公開は1950年.戦時下における若者たちの悲劇を描いた恋愛映画であるが,主演の岡田英次と久我美子によるガラス越しのキスシーンは日本映画史における最高の名シーンとして有名である.
 不思議なのは,このキスシーンを,私は小学校の視聴覚教室(児童に映画を鑑賞させるための大きめの部屋だった)で観たこと.私も含めて子供達は,目を伏せるふりをしつつ上目遣いに,久我美子の唇がガラス窓に触れるのをしかと見たのであった.
 この大人向けの恋愛映画を,あの時代の,今と違って素朴純情な児童に鑑賞させた教師の意図がわからない.たぶん先生達は,自分が観たかったので,生徒をダシにしたのではないかと思うのであるが(笑).
 余談だが,この記憶のおかげで私は,のちにテレビの『泣いてたまるか』とか,映画では『ゴジラvsビオランテ』とか,恋愛モノではないものでも久我美子をみると胸がときめくようになってしまった.今でも好きな日本の女優を挙げろといわれれば,第一位が吉永小百合様(敬称付き特別待遇),二位に久我美子なのである.

 『また逢う日まで 』の他に私が小学校の視聴覚教育として鑑賞したことを覚えているのは,アニメの『白蛇伝』(大川博監督;声優は森繁久彌と宮城まり子)と『ここに泉あり』(今井正監督;岡田英次,岸恵子)の二つ.『白蛇伝』はDVDを持っているが,『また逢う日まで 』はどうしよう.Amazon で3,900円.買うかどうか思案中.

|

« 勝者は私だ | トップページ | 驚異のマイナス電子 »

新・雑事雑感」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: また逢う日まで:

« 勝者は私だ | トップページ | 驚異のマイナス電子 »