« 消費されたネット用語 | トップページ | 過剰反応 »

2013年10月29日 (火)

給食にコバエが

 一昨日の朝日新聞デジタル(10月27日)に,岐阜県内の学校給食で虫などの異物の混入が相次いでいることに関する記事(見出し=「給食に虫、除いて食べる?捨てる? 岐阜で相次ぎ、議論」)が掲載されていた.

 その中に
《可児市で9月に給食のパンにコバエが混入したのは、大量発生していたのに工場の窓を開けて網戸のまま製造したのが原因とみられている》
という記述があった.

 取材した朝日の記者が可児市学校給食センターの言い分を曲げて書いたのでなければ,可児市学校給食センターは食品衛生の基礎知識がない.なさすぎである.

 コバエは小さなハエの総称であり,ショウジョウバエ,キノコバエ,ノミバエ,チョウバエなどをいう.いずれも普通の網戸では侵入を防げない.容易に通過してくる.従って窓を解放して作業するのはもってのほかであるが,網戸をきちんと閉めていたとしてもだめなのである.

 食品工場では,網戸でコバエをブロックしようなどとは考えない (つまり窓は灯り取りであり,嵌め殺しが原則) が,もし網戸が必要だとしても,風通しが悪くなるくらいに非常に目の細かい特注製作の網戸を設置する.

 調理作業場では清掃や器具の洗浄に水を使わざるを得ず,その水は作業場の床に作られた排水溝を経て工場外に排出されるが,いい加減な設計の作業場では,この排水溝が外部と筒抜けになっていることが多く,ここからコバエだけでなくネズミやゴキブリも入ってくる.これに対して標準的な設計では,排水溝と外部の間に「水封トラップ」と呼ばれるものを設置して,外と遮断しなければいけないことになっている.

 さらにいえば,食品にコバエが混入した場合,まず工場内部での発生を疑う.網戸や排水溝から侵入してきた少数のコバエでも,作業場内の食材クズをみつけて,そこで大繁殖するのである.作業場の床を這うようにして探せば,どこかに生ゴミの堆積がみつかるであろう.それがコバエの発生源である.

 いずれにせよ食品作業場の防虫対策には,専門業者と契約を結んで指導を頼み,その専門家の指示を実行できる防虫対策係の社員を養成する必要がある.素人判断でコバエ混入の原因を決めつけしている可児市学校給食センターでは,これからもコバエが給食に混入し続けるであろう.

|

« 消費されたネット用語 | トップページ | 過剰反応 »

食品の話題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 給食にコバエが:

« 消費されたネット用語 | トップページ | 過剰反応 »