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2013年10月25日 (金)

「和食」とはなにか

 新聞・テレビが大々的に報道したが,政府がユネスコの無形文化遺産に提案した「和食 日本人の伝統的な食文化」が登録される見込みという.
 新聞記事やテレビニュースの食事例画像をみると,料理屋で供される日本料理を挙げているものもあれば,日常の一般的な食事例を掲げているものもある.
 政府がユネスコに登録申請した「和食」の特徴は以下の四点である.

(1) 地域に根ざした多様な食材とその持ち味を生かした調理方法
(2) 「一汁三菜」を基本とする理想的な栄養バランスと,旨味を上手に使い,動物性油脂を少なくした健康的な食事
(3) 食事の場で自然の美しさや四季の移ろいを表現する
(4) 正月などの年中行事と密接に関わり,家族や地域の絆を深めてきたこと

 これが「和食」の特徴だとすると,酒を飲んで帰宅した私が,一人で夜中にかっ込む梅干し茶漬は「和食」の範疇に入らないのね.
 なにしろ一汁三菜もへったくれもない,栄養バランス崩れまくりの単品であるし,梅干しは全国にあるから「地域に根ざした多様な食材」でもない.梅干しは保存食品だから四季の移ろいを表現していない.年中行事は無関係.

 夕飯にご飯と味噌汁と目刺というのは,かの土光敏夫さんの伝説的エピソードで,Wikipedia にも《インパクトが大きかったのは妻と2人きりで摂る夕食の風景であった。メニューはメザシに菜っ葉・味噌汁と軟らかく炊いた玄米》と書かれているが,この献立も「和食」ではない.私は立派な和食だと思うけれど.

 私は一年に一度だけ松茸ご飯を炊いて食うが,これはこれだけでおいしいので,汁物があれば他になにもいらない.一汁無菜だ.おまけにその松茸は安価な外国産であって「地域に根ざし」ていないから,なんちゃって「和食」だ.
 またごく稀に鰻重を食うが,これは動物性脂肪が多いから,なんちゃって「和食」の類.
 松茸ご飯や鰻重をなんちゃって呼ばわりするのは,滅多に食べられない私は心が痛むが,昔ながらの日本の食べ物で無形文化遺産「和食」から除かれるものはかなりあるだろう.
 また,いわゆる日本型食生活は,伝統的なご飯と汁物とおかずという基本構成に,乳製品など洋風食材・料理を積極的に取り入れたものだから,政府がいう「和食」とは異なる.

 昨日は朝飯が納豆ご飯(季節感なし),昼にはざる蕎麦(低栄養),夜は飲み屋で鮪の刺身(これまた季節感なし)を肴に焼酎(家族の絆なし)を三杯.
 こうしてみると丸一日,というかほぼ一年中,お上が言うところの「和食」を食べていない.
 しかしながらお国に恥をかかせるわけにはいかぬ.いたく反省して,来年の正月には豪華なおせち料理でも予約してみようか.雑煮とおせちなら,完璧な「和食」であり,和食だろうから.

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