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2013年10月27日 (日)

昔,ボンジュールというパン屋があって

 昔,葉山と鎌倉山にボンジュールという名のおいしいパン屋さんがあった.有限会社葉山ボンジュールである.
 湘南に住む人達に愛されたパン屋だった.私は鎌倉山の店(近くに棟方版画美術館があり,かつては私の散歩コースだった)によく行った.周辺の緑によく溶け込んだ,スペイン風というのか,洒落た小さな店だった.

 それが色んな事情があったようだが,平成三年に鉄道系の資本に吸収され,商号は株式会社葉山ボンジュールになったが,店名の「ボンジュール」は残った.
 ところが新しい経営者が店舗数拡大路線を採り,それが失敗したらしく,昨年の二月に全店閉店となってしまった.老舗の名が消えたことを惜しむ声がネットにもあふれたものだ.

 それがどういうわけだろう,“開店閉店”と称するサイトに

《要旨》
ブーランジェリー・ボンジュール鎌倉山が2012年6月30日にオープンする.葉山ボンジュールはブーランジェリー・ボンジュールとして生まれ変わる.

と記載されているのを,昨日みつけた.
 おっ,営業再開したのか,と思ってよく調べると,ブーランジェリー・ボンジュールには店のサイトがあって,そこに

《要旨》
ブーランジェリー・ボンジュールが葉山と鎌倉山に新たに誕生した.今年二月に閉店した店舗の長い歴史に敬意をはらい,ランドマークとしての責任をもって,地域に根ざした店に育てていきたい.>>お客様、関係者の皆様へ

と書かれている(下線部分にはリンクが張られている).
「ランドマークとしての責任をもって」を素直に読めば,店を継承したと読める.しかしなんか隠しているっぽい怪しいこの「お客様、関係者の皆様へ」というリンクをたどると,次のように書いてある.

《要旨》
昨年七月から営業を開始している「ブーランジェリー・ボ ンジュール」葉山店と鎌倉山店は,株式会社パドリングが運営を行っている.昨年二月まで同じ場所で営業していた「葉山ボンジュール・葉山店」「葉山ボンジュール・鎌倉山店」は株式会社葉山ボンジュールが運営を行っていたものである.株式会社パドリングおよび株式会社パドリングが運営する「ブーランジェリー・ボンジュール」は,株式会社葉山ボンジュールと資本や取引上の関係は全くなく,株式会社葉山ボンジュールとは一切関係がない.

 なんじゃこれは.「今年二月に閉店した店舗の長い歴史に敬意を」全然はらっていない.
 さらに検索を続けると,株式会社葉山ボンジュールが次のように広告しているのをみつけた.(会社自体は今も存続しているようだ)

《要旨》
平成24年8月30日
株式会社葉山ボンジュールは,平成24年2月をもって「葉山ボンジュール・葉山店」「葉山ボンジュール・鎌倉山店」の営業を終了した.現在それぞれ同じ場所において「ブーランジェリー・ボンジュール」という類似した名称の店舗が営業しているが,これらの店舗は株式会社ボンジュールとは一切関係ない.

 どうも昔の有限会社ボンジュール,あのおいしかったパン屋さんが店を畳んだあとで店名を継承したものの経営に失敗してつぶれた株式会社葉山ボンジュールと,店名をパク,いや無関係な株式会社パドリング=ブーランジェリー・ボンジュールが店の名をめぐって争っているみたいである.
 それくらい「ボンジュール」という名に集客力があると株式会社パドリングは考えて「ブーランジェリー・ボンジュール」という店名を名乗ったのだろう.
 でもね,人々の思い出というものは,そんなに簡単に手に入れることはできないと思うよ,株式会社パドリングさん.一昔前に葉山や鎌倉山のボンジュールで働いていたパン職人達が,再興のためにまた結集したとか,そういうレジェンドが必要だと思う.
 

 昔のボンジュールはテレビドラマにも出てくる有名店だったのだが,こんなグダグダになってしまうなんて.湘南の人々は悲しい思いをしているだろうなあ.

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