葉唐辛子
前にも閉館したサイトの方で書いた記憶があるが,私の好物の一つに葉唐辛子の佃煮がある.
それも桃屋の瓶詰に限る.
スーパーの食品売り場とか寺社の門前の佃煮屋などでトレー・ラップ包装のものが売られているが,これはまず間違いなく砂糖や味醂,水飴などをたくさん使用していて,甘い.甘すぎる.それに賞味期限も短い.季節物の一つであるからして,冷蔵庫に常備し,時々取り出して白いご飯のお供にするには,少々扱いにくい.
これに対して桃屋の瓶詰は,ほとんど甘みがなくて辛くて美味.それに開封しなければ保存期間が結構長いと思った.(確認のために同社のサイトを閲覧してみたのだが,賞味期限の記載がなかった.これはいかんなあ)
商品名は『若摘み葉唐がらし』というのだが,売れ筋ではないとみえ,これを定番にしている店は少ないように思う.そこで桃屋の通販で買うことにした.
ついでに「葉唐辛子」を検索してみた.
そもそも葉唐辛子の佃煮は,まだ若いトウガラシ(主に伏見辛という品種だそうだ)の葉と鞘の部分を一緒に佃煮にするのだという.桃屋の瓶詰は刻んでしまっているし,真っ黒けなので鞘の部分が入っているのに気が付かなかった.そういえば黒光りする部分が入っていたなあ、と思った次第で,長年にわたりうかつなことであった.
ネットを探すと,鞘を刻まずにそのまんまの姿で煮たレシピもあって,おおこれは見た目も辛そうで実にうまそうだと食欲をそそられたが,これは大きさと形の点で小さな瓶詰にはしにくいだろう.
となると自作の道に進みたくなるが,スーパーの野菜売場に伏見辛が並ぶものなのかどうか定かでない.もしかすると家庭菜園が必要になるかも.
ところで,トウガラシの辛みがカプサイシンによるものであることは一般にもよく知られている.完熟したトウガラシでは鞘の中に白い筋があり,カプサイシンはそこにたくさん含まれている.従って「絶望のパスタ」を作るとき,輪切りにしたトウガラシをオリーブ油で炒めるが,普通はその白い筋(と種)をあらかじめ取り除いてからトウガラシを輪切りにするのだが,激辛が好きなら一緒に刻んでしまうとよい.
ここでハテ?と思ったのは,若摘み唐辛子の場合,どの部分にカプサイシンが多く含まれているだろうかということ.原著論文を探せば,誰かが調べて投稿しているのがみつかるだろうが,食品会社を辞めてしまったので論文を探す手立てがない.残念である.
クックパッドには,葉だけを醤油で煮て鷹の爪で辛みをつけるものとか,ハチミツ入りとか,ピーマンみたいな京野菜の満願寺唐辛子を使うものとか,辛くない方向のいろんなバリエイションが載っているが,そういうのは食いたいとは思わない.やはり葉唐辛子の佃煮は桃屋の瓶詰に限る.
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