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2013年9月29日 (日)

正月三が日うどん

 某掲示板に,正月三が日の朝に雑煮ではなく,うどんを食う地域はあるかという質問トピが立っている.これに色々とレスがついた挙げ句のトピ主の結論を要約すると,

《ウェブを“正月+うどん+手打ち+3が日”で検索すると,正月三が日にうどんを食べるのは山梨,群馬,埼玉,栃木,長野方面で,これは昔からの風習.その地域の大事な文化だから,伝統を引き継いでいきたい.》

である.

 さて他県のことは知らず,私の郷里である群馬県についていえば,正月三が日の朝に雑煮ではなく,うどんを食うなどという食習慣はない.餅に飽きて,うどんを食うことはあっても,それは人により家庭によりであって,食習慣というわけではない.
 何を言っとんのじゃこのトピ主は,と思って実際に“正月+うどん+手打ち+3が日”でウェブを検索してみたら,うどん屋のサイトばかりヒットした.(笑)
 三が日にご馳走を食べたから,そのあとは簡単にうどんで済ます,と書いた記事はあるが,三が日の朝に雑煮でなくうどんを食うことが「山梨,群馬,埼玉,栃木,長野方面で昔からの風習」であることを示すまともな資料は出てこない.

 妙なことにこのトピ主は「○○地方では・・・」「△△地方では・・・」などと,確認しようがない独自研究を書き連ね,質問者でありながら全体の議論を自らリードしようとしている.レスがあまりつかず,盛り上がらないので業を煮やしたか,いかにも経験の浅い釣り師によるトピらしいところが笑える.
 またレスの中に「江戸時代は米本位制のため,米がとれない土地は貧しかった.埼玉や群馬は米がとれなかったために貧しく,そのために餅が食べられなかった」というのがある.これはまず「江戸時代は米本位制のため,米がとれない土地は貧しかった」が大嘘である.この人は,広く読まれている網野善彦の著作を手にするどころか,おそらくこの大学者の名前も知らぬのであろう.
 こんなレスばっかりで,トピ主の釣りは全くの不発に終わった.釣りトピ歓迎であるこの掲示板の検閲者としても,投稿が少なくては恣意的に盛り上げようがなく,がっかりしたであろう.

 ではなぜこの釣りトピは不成功に終わったのか.Wikipedia が『年明けうどん』の項で簡潔に書いている(★).

(★)日本の年末年始における食文化として年越し蕎麦(年末)や雑煮(正月)は定着しているが、年明けうどんは正月における食文化ではなく、讃岐うどんをはじめとした日本国内における名産うどんの活性化やうどんの消費拡大に貢献すること、食品業界関係で正月における新たな利益・経済効果を生み出すことを目的として讃岐うどん業界を中心に企図され、2009年正月から展開されている。

 火のないところに無理矢理な煙を立てて成功した例が「恵方巻」であるが,うどん業界は二匹目のドジョウを狙っているのだろう.掲示板にトピまで立てて,ご苦労なことである.

 以上のごとき書き方であれば,某新聞社の臨検,いやいや職質,違う,監視にひっかからないと思うのだが,どうだろう.

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