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2013年8月27日 (火)

語学力

 このブログの読者の sakai さんが紹介してくださった阿辻哲次著『近くて遠い中国語』が Amazon から届いた.

 いま導入部である第1章を読んでいるところだが,この章は阿辻教授が学生だったときの語学講義の様子が書かれていて,それを読んでいたら胸が切なくなって困った.

 私が大学に入ったのは1968年で,入学したとたんに全学ストライキに突入して授業がなくなってしまった.
 全学ストライキはほぼ一年後に解除されたが,学内はなかなか正常な(というかストライキ前の)状態に戻らなかった.私達学生の大部分は虚脱状態であったし,先生達はこの厄介な学生達を教養課程から速やかに専門学部へ送り出してしまうことを望んでいた.
 だから語学の講義はほとんど出席していなくても,とにかく試験を受ければ「可」をもらえて,私が選択した第二外国語のドイツ語はその「可」組であった.「可」というのは,ドイツ語が全く読み書きできません,という意味である.

 しかし幸か不幸か,製造業の会社に入ってみるとドイツ語が必要な場面に出くわすことはなく,英語がなんとかできれば飯は食えた.実はその英語もあやしくて,論文は読めるが新聞の記事は理解できないというレベルであったのだが.

 学部を卒業して十年余を過ぎた頃に,親しくして頂いていた地方大学の教授のご尽力で,その大学の博士課程にできた社会人枠に押し込んで頂いた.この社会人枠の入試は,社会人のハンデに配慮して,語学能力は英語しか問わないというありがたい制度だったので入れたのである.

 かくして博士課程を修了しておきながら外国語は英語しかわからぬという不思議な博士ができて,そのまま現在に至る.
 だけれども,会社を定年になるまで語学のことはずっと心の傷であり続け,今もそうである.
『近くて遠い中国語』は中国語について書かれた本ではあるが,語学の本ではない.私の古傷がうずくのは第1章だけのようなので,駆け足で第2章に進むことにする.

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