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2008年11月 5日 (水)

戦時下の犬

 昨日の毎日新聞によると,同紙に森絵都さんが連載していた『君と一緒に生きよう』が来春出版される.その連載最終回『救われない命たち』は,保健所で殺処分される犬たちを書いたものだったが,これに対する読者の反響を紹介する記事の中にそう書かれていた.少し経つとリンク切れになるだろうが一応URLはここ.
http://mainichi.jp/life/mori/news/20081104ddm013070132000c.html
 八十歳の女性から,戦時中に飼っていた犬の思い出が寄せられた.マルという名の優しい犬だったそうだ.
《戦時中は与える食べ物もほとんどなく、どこからか干しイモをくわえてくるのを見て安心したものです。そんな中、兵隊さんの防寒の毛皮のために犬を供給しろと言われました。マルを連れて行ったお手伝いさんに後に聞いた話では、会場のはるか手前で両足を踏ん張って前に進もうとせず、困ったとのこと。今でも切なくつらく、胸がつまります》
 まことに不勉強にして,食糧となる牛馬,豚などが供出させられたことは聞いていたが,飼い犬までもが,とは知らなかった.
 猫はヒトがいなくても立派に猫であるが,犬は違う.犬は狼の中から,私達と一緒に生きてくれるものとして生まれてきた.ヒトがそのように選抜した.野良猫と違って野良犬に落魄の雰囲気がするのはそのためである.犬はヒトの同伴者なのだ.食用家畜のこともある,と言う人がいるかも知れないが,そういう人は私の友ではない.
 その犬が毛皮に.八十歳の女性はそれ以来犬を飼っていないとのこと.気持ちは切なくわかる.
 来春の新刊『君と一緒に生きよう』に読者の反響も収録されるといいと思った.

 ちなみに「供出」については,こんな証言も.

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