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2008年11月 1日 (土)

『沖縄ノート』訴訟

 大江健三郎『沖縄ノート』に対する名誉棄損訴訟の控訴審(大阪高裁)判決のこと.
 新聞報道によれぱ判決は《宮平秀幸は、控訴人梅沢が自決してはならないと厳命したのを聞いたなどと供述するが、明らかに虚言であると断じざるを得ず》(asahi.comの関西版10/31付より引用;宮平秀幸は座間味島の住民)と述べている.大阪高裁が宮平氏の供述を虚言であると判断すれば,あとは梅沢氏の主張の根拠は「自決せよと命じたことを記録した資料はない」というだけで,これでは到底『沖縄ノート』を名誉毀損とするわけにはいかないだろう.
 ただし本判決は,梅沢氏らが直接的に自決命令を出したとすることも断定できないとしている.これに対して朝日の同記事で,元沖縄県知事の大田昌秀氏が《軍部の「軍官民の共生共死」の方針は、各地の司令官、配下部隊長、さらに住民へと下達された。大江さんがいうこの「タテの構造」のなかで、住民が集団自決を強いられたことは自明。戦争を体験した人なら誰でも納得する》と述べている.「(沖縄の)戦争を体験した人なら誰でも納得する」はつまり,記録ではなく県民の記憶ということであろう.沖縄戦は江戸や明治の話ではないということだ.

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