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2008年9月

2008年9月29日 (月)

着信拒否して何が悪い

 新聞《asahi.com 9/28 6:02》によると,《長崎県平戸市消防本部が、管轄の出張所の一般加入電話に市内の男性(40)から頻繁にかかってくる電話を「迷惑電話」とみなし、8月下旬から約1カ月間、着信拒否にしていたことがわかった》という.
 報道の通りだとすると《「火事です」と伝えた後に「どこも燃えていません」と言った》りしたというから相当に悪質ないたずら電話と思われるのだが,この男は《無関係の電話をした私も悪いが、着信拒否はありえない対応だ》と言っている.これに対して行政側は《総務省消防庁総務課は「消防署の着信拒否は聞いたことがない。ただ、全国的に消防署への迷惑電話に悩まされており、ケースによっては法的対応も検討せざるをえない状況。今回も、着信拒否するだけの理由があったのではないか」と話している》とのこと.
 これに対して記事には《企業のクレーム対応に詳しい五島洋弁護士の話 男性の電話は迷惑電話と考えられるが、一般企業で着信拒否をしたケースは聞いたことがない。119番がつながるとしても、着信拒否していることを相手に伝えなければ緊急の際に一般回線にかけ続けて惨事を招く可能性も否定できない。緊急事態に対応する公共機関として望ましくない対応だ。消防本部は本人と話し合い、迷惑電話をやめさせる努力をすべきだった》という識者のコメントが付いている.

 記者が識者のコメントを勝手にねじ曲げてしまうのはよく聞く話であるが,もしそうでないとすれば,この弁護士はヘンである.緊急事態に対応する公共機関としては《迷惑電話をやめさせる努力をすべき》ではなく,直ちに法的対応をするべきだったのである.管轄の出張所の一般回線は1本だけであったのだ.この馬鹿男のいたずら電話ために他のまともな人々が惨事に遭うことよりも,五島弁護士は迷惑電話男の身が大事らしい.
 迷惑電話男の頭の中はもっとヘンで,盗人猛々しいとはこのことだが,朝日の記者はさらにヘンで,きっと迷惑電話男に「あなたは着信拒否されたことについてどうお考えですか」とでもインタビューしたのだろう.その答えが《無関係の電話をした私も悪いが、着信拒否はありえない対応だ》だったわけだ.どいつもこいつもわけわからん連中で,頭がクラクラしそうだ.

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2008年9月28日 (日)

手帳の季節

 ようやく朝晩涼しくなってきた.手帳を更新する時期だ.もう文具店には2009年版の手帳やリフィルが並んでいる.昔は手帳というものは毎年十二月に新しくして翌一月から使い始めるものだと思ったが,次第に早まり,今は十月更新というものが多いらしい.中身は十一月から使えるようになっている.

 アスキー社と野口悠紀雄教授のコラボで『「超」整理手帳』が作られたのは,もうかなり前のことだ.なかなか使いやすい手帳で,発売されてから数年間,私はこの手帳を愛用した.ところがその後,PDAのブームがあり,ソニーから『クリエ』が発売された.というよりも,『クリエ』が出たからPDAブームが起きたというべきか.愚かな私はすぐにこれに飛びついたのだった.
 諸兄既にご存知のように,ソニーという会社は消費者指向ではない.PDAが大した商売にならないことが分かると,ブームを盛り上げておきながら,さっさと撤退してしまった.
 生産中止となった製品を,バッテリがへたるまで人前で使い続けるのは,あまり気分のいいものではない.「デキる男」感を演出するアイテムだったクリエの場合はなおさらで,みるみるうちにクリエが他のPDAを道連れにしてブームは終わってしまった.
 残されたクリエのユーザー達がどうしたか知らないが,私は「超」整理手帳に戻ろうとした.しかし気がついたら書店の店頭からこの手帳は消えていた.もとより出版社の作ったものだから文具店では扱っていない.あああれも撤退したのかと,それ以上探すこともなく私は普通のシステム手帳を使うことにした.

 それからまた数年が経った最近,ひょんなことから,今も「超」整理手帳は健在でamazonから入手できることがわかった(出版社がアスキーから講談社に替わっていた).私は喜んで2009年版を注文し,それが昨日届いた.包みを開封し,これが私の会社員として使う最後の手帳となるかも知れないと思いながら手にとって,少ししみじみとした.といっても定年後に悠々自適の暮らしができるわけではなく,年金が支給される六十五歳まで何かしら仕事をしないと食っていけないから働きはするが,大判の手帳が要るようなバリバリの正社員の途はまずない,という意味なんだけどね.

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2008年9月27日 (土)

ASUSのミニノート

 ASUSのミニノート,EeePC901Xを買った.イー・モバイルのデータ通信カード契約とのセット価格で\14900だった.
 ネット上でこのミニノートの評判を調べると,なかなか好評のようだ.なによりもバッテリが最長で約8時間,通常の条件化でも5時間くらいもつのがウケている.これなら一泊出張でもACアダプタは要らないかも知れない.
 ただ,タッチパッドが本機の欠点だと指摘する人が多い.キーボードのホームポジションに指を置いて打鍵すると,知らぬ間にタッチパッドに触れ,入力位置が動いてしまってストレスがたまるというのである.この問題を回避するためには,タッチパッドではなくマウスを使うこととし,タッチパッドを無効化するのが有効である.ユーザーが開発したタッチパッドを無効化する方法もネットにアップされていたが,ASUS自身からも最近その方法がサイト上で公表された.
 そこで問題のPC901Xのタッチパッドがどんなものか実際に試してみた.ところが私の熊のごとき無骨な手では,キーボードが狭すぎてホームポジションに指を置くことができず,従ってこの点は全然問題にならないことがわかった.ううう.

 SSDの容量が少ないという不満も目にするが,この手のミニノートにMS Officeを載せてバリバリ仕事を,なんてのは少し筋違いのような気がする.プリインストのStar Suiteで十分だと思う.
 で,結局プリインストアプリの他に何をインストールしたかというと,文章作成のためにWZ editor,画像処理にはGoogleが配布しているPicasa,セキュリティのためにウイルスセキュリティZEROを載せた.それから『窓の杜』からスケジューラの“卓上カレンダー”と“インフォメーション”,画像閲覧アプリのirfanViewを入手.メールは@niftyのWebメールを使うことにして,メーラーは省略.

 “インフォメーション”はイベントの期日を入れておくと「○○まであと××日です」と知らせてくれるのだが,残念なことに一年以上先のイベントは指定できない仕様だ.それで○○には「定年退職一年前」を入力してみた.たとえば今日は「定年退職一年前まであと159日です」とポップアップして教えてくれる.毎日,PC901Xを起動すると定年までの残り日数(ただしその-365日)が嫌でもわかるのだ.朝っぱらからテンションが落ちて,とても侘しい.ううう.

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2008年9月26日 (金)

君と一緒に生きよう

 人間はペットを飼う地球上でただ一つの生き物だと思う.チンパンジーはペットを飼わない.それは人間とチンパンジーの知能の差よりも大きな違いではないか.

 毎日新聞連載『森絵都の君と一緒に生きよう』が終わった.人に酷い目にあわされて,それでも人を愛して,そしてまた人によって幸せになったたくさんの犬達の物語だった.惨めな境遇に落とされた犬達を救うために奮闘する人々の話でもあった.その最終回がしかし,殺処分される犬達の話だったことに胸を締め付けられる思いがする.
 彼女はこう書いている.
《多い日には30頭以上が処分を受けるという。それが日本各地のセンターで毎朝くりかえされている。一方でペット産業は大いに栄え、インターネットのオークションでは1円から犬が取引されている。
 この社会は果たして健全だろうか。私たちは子供に「命を大切にしましょう」と言えるのか》

 この連載記事は,それまで読んだことのなかった森絵都さんの小説をいくつも一気読みするきっかけとなった.一冊にまとめられて出版されたら,もう一度読みたい.

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2008年9月25日 (木)

横浜県庁

 ほとんど毎朝,私は通勤電車に乗る前に,駅ビルにあるBecker'sでコーヒーを飲みながら新聞を読む.
 昨日,私の近くのカウンター席に,推定年齢四十二歳のおばさんがやってきて腰掛けた.
 彼女はアイスコーヒーのグラスを載せたトレイをカウンターに置くやいなや,携帯電話を取り出して大きな声で通話を始めた.「おばさん」と書いたのは声が大きいからであり,口元を掌で隠しながら小さな声で話しをする人であれば「御婦人」と表現するところである.
 で,その通話の冒頭を引用する.
「あ,ヨーコ(仮名)っ,あたしさあ~今日は横浜県庁に行くのっ」

 この推定年齢四十二歳のおばさんの頭の中では,横浜県なる自治体が存在しているのであるなあと思った.
バカ日本地図――全国のバカが考えた脳内列島MAP
(トップページはここ
に似たようなので「名古屋は県だと思っていた」てのがある.

 ひとのことは言えないのであって,私も鳥取と島根の違いがどうなっているのかよくわからん.長崎と佐賀の辺りもあやしい.

 そこにいくと北海道は大変よろしい.他県との境がわかりやすい,ていうか,ない.こういうややこしくない地方に住んでいる人々は気持ちもおおらかなんではないかと思う.
 私の部下で旭川出身者がいるのだが,
「旭川ってさあ,街の真ん中の交差点でクマが鮭をかついで信号待ちしているよね」
と言うと
「そんなことないですよお」
と笑っている.

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2008年9月24日 (水)

携帯マサイ

 色々事情あって,全くこのブログを放置していた.
 どういう事情かというと,ネトゲにハマって文章を書く暇がなかったのである.こらこら.

 さてこの間の日曜日は出勤だった.藤沢駅のキオスクで毎日新聞を買い,Becker'sで朝飯を食いながら毎日新聞を読んだら,坂村健教授が連載コラム『時代の風』に《今や発展途上国では固定電話の段階を経ずにいきなり携帯電話の時代に突入している》状況について書いていた.その中の一部を《》に引用する.
《携帯電話の時間貸しのような新ビジネスも生まれているらしい。無理して借金をしてそれを資本に携帯を買ってミニミニ通信事業者に――途上国での資本主義の第一歩だ。それどころか、携帯で連絡を取りながら槍で獲物を狩るアフリカのマサイ族の話を聞いた時は、あまりのギャップに頭がクラクラした》

 マサイ族といえば,二十年ほど前に環境省からケニアに派遣されていた友人から聞いたいわゆる観光マサイの話を思い出した.
 アメリカから来た観光ツァー御一行様が遊牧民たるマサイ族の生活を見学した.有名なマサイ戦士の勇姿を見て感激した一人が彼らの住む掘っ立て小屋を覗き込んだら,中で戦士達がラジカセを聴いていたので腰から脱力したというのである.

 その当時でも,伝統的な暮らしをしているマサイ族のほかに,都市部に定住して職業を持っているマサイもいたわけであるが,あれから二十年も経った.坂村先生は頭がクラクラしたというが,狩猟を生業とするマサイの間に携帯電話が普及しても不思議ではないなあと思った.

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