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2008年3月23日 (日)

金の定食 銀の定食

 先日,同じ職場の五人で昼飯を食いに会社近くの大衆食堂に行った.
 そこはかなり狭い店で,引き戸を開けて入ると左手にテーブル席が三つあり,右側の階段を二階に上がるとこれまた狭い座敷になっている.一階奥の配膳口の横にレジがあり,客は席に着く前にレジのお姉ちゃんに食べたいものを注文し,代金を前払いで済ませることになっている.金を払うとレジ係のお姉ちゃんが厨房に「煮魚いっちょうっ」と注文を通してくれるのだ.食券のない食券方式というか,食べ終わってから会計するのよりも,この方が合理的なように思われる.別に食い逃げの多い地帯というわけではない.
 で,私達はそれぞれ煮魚だのフライだのの定食を頼んでから二階の座敷に上がった.ほどなくして注文の品が運ばれてきたのだが,五人のうちで一番若いA君のやつが間違っていた.彼は焼き魚定食六百五十円也をオーダーしたのに,お運びの兄さんは天ぷら定食を持ってきたのである.
「僕は焼き魚なんだけど…」
「あ,失礼しましたあっ」
と兄さんは階下にあわてて戻っていった.天ぷら定食はたしか千円である.
 彼を除く私達が食べ始めて暫くすると,また兄さんが盆を持って上がってきた.
「へい,刺身定食お待ちっ」

 A君という人は大変に好人物なのである.この二度目の間違いにも怒らず
「あのお,僕のは焼き魚なんだよね」
と言った.刺身定食は九百円である.
 結局,また五分くらいしてからようやく彼は焼き魚定食にありつくことができたのだが,もう食べ終わった私達は,急いで飯をかっ込むA君を横目にお茶を飲みながら,こんなことを言った.
「最初が天ぷら定食で次に刺身定食ね」
「そういうのってさ,二度目の刺身定食も違うって言うと,女神様がでてくるんじゃないの」
「正直なサラリーマンよ,天ぷら定食も刺身定食もお前にあげるから食べなさいってか」
「そうそう,斧の話.ってそんなに食えねーよ」

 帰宅してから斧の話をWikipediaで調べてみた.『金の斧』というそのまんまな題であったが,原話に出てくるのは女神様ではなくてヘルメス神であった.この歳になるまで知らなかったぞわはは.
 それはそれとしてWikipedia『金の斧』にはもっと有用な情報が掲載されていた.関連作品(こらこら)『ドラえもん』に秘密道具『きこりの泉』というものがあるというのだ.
 この『きこりの泉』のエピソードに登場する「きれいなジャイアン」も,この歳になるまで知らなかったぞわはは.

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