赤い靴
週刊文春(3月27日号)の書評『私の読書日記』に山崎努氏が次のように書いていた.
《赤い靴をはいた女の子が異人につれられて行っちゃった、と歌われる野口雨情の童謡『赤い靴』には「きみ」という実在のモデルがいたという定説は、テレビのドキュメンタリー番組のでっち上げたウソであると『捏像 はいてなかった赤い靴』(阿井渉介 徳間書店 1500円+消費税)が細かく検証している。》
『捏像 はいてなかった赤い靴』は初耳だったのでウェブ検索してみたら,既にブログで取り上げている人達がいた.
私も以前,横浜の山下公園にある『赤い靴はいてた女の子』の像に関して書いたことがあるのを思い出した.下に引用する.
《また,そのサイトの制作者は,清水市生まれで北海道にわたり,東京で亡くなった少女の像が横浜港にあることに対して「そんな『赤い靴はいてた女の子』の像が,なぜ山下公園にあるのか,私にはわかりません」と書いているのだが,なぜと言われても野口雨情の歌詞に「横浜の港からお船に乗って」とあるからに決まっている.以前,清水市の人と『赤い靴はいてた女の子』の話をした時にも,少女は横浜には行っていないのに許せん,とか言って憤慨していた.モデルと創作は別物なのに,混同しちゃう人がいるようだ.》
あちゃー,である.《「横浜の港からお船に乗って」とあるからに決まっている》とは何たること.手拍子で書いてしまったのだね,これは.読み直して良かった.もちろん「横浜の埠頭から船に乗って」が正しい.恥じつつここに訂正する.(ついでだから上の引用中の《そのサイトの制作者は》にリンクを追加しておこう)
この間違い以外にはヘンなことを書いてなかったので一安心.
で,
《赤い靴をはいた女の子が異人につれられて行っちゃった、と歌われる野口雨情の童謡『赤い靴』には「きみ」という実在のモデルがいたという定説》
のこと.
『捏像 はいてなかった赤い靴』によると,この定説はでっち上げだという話だが,それが正しいとすると北海道留寿都村,北海道小樽市(まだ建設予定か),東京の麻布十番,静岡市の日本平にある「赤い靴」関係の像もでっち上げということになる.
私は,創作物に対してすぐ「そのモデルはこれだ」と言いたがる人にあまり好感をもっていない.上記各地の「赤い靴」の像がウソだとすると結局,モデル存在説に無関係な横浜の山下公園にある少女像だけが残るわけだ.よかったよかった.
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