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2008年2月

2008年2月24日 (日)

白粥に餅を

 毎日新聞に『山本さんちの台所』という連載エッセイがある.筆者は山本ふみこさん.
 先日,出張の新幹線車内でそれを読んでいたら,朝粥に餅をサイコロに切ったものを入れると美味しいとお書きになっていた.小さい餅であるからして粥の炊きあがりに入れればよいのだと思われる.少し薄めの白粥の中に小さな四角い餅がいくつか.うむ,見た目がとても上品だと想像される.
 私はどうかというと今朝,昨夜の残り物の味噌汁から具を引き上げ,ここにサトウの切り餅を,サイコロに切るのがめんどくさいので一個そのまんま放り込んだ.たっぷりの汁の中で切り餅が寂しそうに見えたので,さらに冷や飯を投入した.いわゆる「餅おじや」であるね.
 出来上がりは,味噌も汁も餅も飯も混然一体となって,何がどこやらわからない状態である.うむ,見た目がとても下品である.でもおいしい.よかったよかった.

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知らんぷり

 一昨日の朝日新聞コラム『天声人語』にこんなことが書かれていた.
《ここに、真っ先にこじ開けたいものがある。わが自衛隊の閉鎖体質だ。イージス艦に衝突された漁師の親族に、幹部は「報道陣には知らんぷりを」と求めたらしい。カメラの前で自衛隊をなじり、何度も泣かれてはかなわないという意味なら、ひどい》
 これって,被害者のご親族側が海自の山崎海将補に,マスコミの取材を阻止して欲しいと要請したのに対する山崎海将補からのアドバイスだったと,毎日新聞がその親族の発言を引用して報じていたが,朝日はそれを知らんのか.今のところ訂正がなされていないが,どうするつもりだろう.誤報には「知らんぷりを」か.

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車中暴行事件

 今朝の朝日新聞《asahi.com 2/24 1:32》によると昨日,JR山陽新幹線の岡山―広島間で午後4時50分頃,岡山から乗車した数人の酔客に車掌が暴行を受けた.暴行した連中は五人で,騒いでいるのを車掌に注意されたので車掌の襟首を掴んでデッキのドアに叩き付けたと記事にある.JR西日本は威力業務妨害容疑で告訴する方針というから,もめた程度のことではないようだ.
 さてこの事件,暴行したグループの構成が尋常でない.二十~六十代の男女七人と未成年者三人だというのである.
 これは家族ではないかと想像してみた.未成年者達は孫.孫以外は祖父さん祖母さんと長男夫婦,長女夫婦と独り身の次男てな感じの構成で,成人男性四人か.女も殴る蹴るというのはよくある話ではあるが,仮に女が暴行に加わっていないとすると,未成年者も暴行に加わった可能性がある.どんな家族旅行だ.

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2008年2月23日 (土)

新幹線で弁当を買った

 今週の火曜日,大阪に出張した際に新幹線車内で,昼飯に弁当を買って食べた.滅多に車内販売の弁当は買わないのであるが,新大阪で下車してから御堂筋線,近鉄を乗り継いでいくスケジュールのため慌ただしく,やむを得ずワゴン販売の幕の内弁当を買ったのであった.
 新聞各紙が22日,ジェイアール東海パッセンジャーズによる弁当の消費期限偽装を報じた.毎日新聞によると同社の《建守(たてがみ)猛社長は陳謝したが、「法的には問題はないのではないか。健康上の実害もないと思う」と述べた》という.ここまで無知をさらけ出すとは,いい度胸の経営者である.問題がなければ陳謝するな.
 そもそも東海道新幹線(他の新幹線の弁当は知らない)の駅売りや車内販売の弁当は,コストパフォーマンス悪すぎだ.それで私はそれらを買わないのであるが,期限偽装の結果,一年前からおそらく弁当中の一般生菌数は10の5乗オーダーを突破していたと思われ,内容の質に比較して値段が高いだけでなく安全性も問題があったわけだ.
 報道された偽装弁当一覧を見たところ,私が買ったのは『大阪味々幕の内』だったかな.滅多に買わない弁当なのに,期限偽装が発覚する直前に食ってしまったことになる.間に合ってよかったよかった.いくない.

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昔,ちょぼ焼きを買った

 先日の毎日新聞朝刊コラム『余録』が,小麦粉の値上げのことに触れる話のマクラに,いわゆる「粉もん」の代表格であるたこ焼きについて書いていた.
 たこ焼きの前身は「ちょぼ焼き」というのだそうで,タコではなくコンニャクが入っていたとのこと.どうやらこの辺りのことはB級グルメには常識のようなのだが,私は寡聞にして知らなかった.
 でまあ,たこ焼きの由緒来歴はどうでもいいのだが,話は昭和四十五年に遡る.
 私は杉並の西武新宿線野方駅に近い学生下宿に住んでいた.ある日,高円寺駅南口に近い下宿にいるN君のところに遊びにいった.
 二人ともヒマで,しかし二人とも貧乏なので,金のかかる遊びは思いつかない.それで近所を散歩するかということになった.
 中央線の北側を流れる妙正寺川の付近を歩いていると小さな公園があり,何か祭でもあるのか,食い物の屋台がいくつか出ていた.
 大阪出身のN君が目ざとくたこ焼きの屋台を見つけ,私に「これ知ってるか」と問うた.初めて見たものなので知らないと答えたが,それがたこ焼きだったのである.
 ただし,それにはタコは入っておらず,コンニャクが入っていた.N君はその時,にせもんを掴まされたと言ったが,今思えばそれは実は「ちょぼ焼き」だったことになる.大阪人でも知らないのだから「ちょぼ焼き」は,その当時とっくに関西では絶滅した食い物だったのかも知れない.それが東京で生き延びていたのだね.よかったよかった.話にオチがない時に,よかったよかったは便利である.よかったよかった.

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きしめんを買った

 昨日は岡崎に出張で,その帰路,名古屋駅新幹線構内の売店に立ち寄った.きしめんか味噌煮込みうどんを買って帰ろうと思ったのである.
 乗り換え通路にあるその狭いキオスクでは,本の棚と土産物の棚が隣り合わせになっており,土産物の棚の前にダンボールがドッカと置かれ,女性店員(推定年齢38歳)が本の棚の前にしゃがみ込んでダンボールから本を取り出し,在庫を入れておく一番下の引き違い棚に入れる作業をしていた.
 キオスクは狭いから,その作業のおかげで客はその辺りには近寄れなくなってしまっていた.私はしばらく立って作業を見ていたが,彼女は客のことより自分の仕事が優先であるらしく,店内通路を占拠したまま作業を続けた.
 私は嫌みったらしく,少し離れた所から棚の味噌煮込みうどん(千円)を指差して「そのうどんを売っている売店は他にもありますか」と彼女に訊ねた.するとその女店員は「ホームでも売ってますっ」と言って私を睨み,作業を続けた.
 もっと単刀直入に「邪魔だからどいてくれ」と言うべきであったと反省しながらその店を出てエスカレーターで上に上がり,上りホームのキオスクに行ったら,先程の店よりもお手頃の値段のものが並べられていた.きしめんが五百円で味噌煮込みうどんが六百円だったので二箱ずつ買い,うちの近所の親しい人にお裾分けすることにした.最初の店のバカ店員のおかげでいい買い物をすることができたのである.よかったよかった.

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2008年2月15日 (金)

思いて学ばざれば

 国民生活審議会総合企画部会が『食の安全・安心に向けた体制整備』の提言をまとめ,これに基づいて内閣府が食品を巡る現行制度の見直しに着手した.
 新聞各紙が大きく報じたように,この提言は,賞味期限と消費期限の二つに分かれている現在の期限表示を消費期限に一本化することを求めている.いうまでもなく消費期限とは,衛生上の危害が生じるおそれのない期限のことである.
 この提言が初っぱなから「おいおい」であるのは,缶詰のように極めて長期間にわたり衛生上の危害が生じないものにも無理矢理かつ無意味な消費期限表示が必要になることである.これを避けるために現行の賞味期限表示があるのであり,この件は既に議論済みのはずである.
 さらに昔懐かし製造年月日表示の復活も画策されている.現在の表示に落ち着いてまだそれほど経っていないのに,また変更かと食品業界はうんざりするに違いない.いい加減にしてくれ.過去の経験に学ばないのはアホだ.

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2008年2月13日 (水)

警察犬・山本号(2)

 警察犬・山本号の話を要約すると,次のようである.
 山本号は特異な才能を持っていた.他の警察犬は犯人の遺留品の臭いを嗅いで追跡したりするのだが,彼は違う.遺留品なんぞにはプイと見向きもせず,そんなことよりも犯行を目撃したかも知れぬ現場付近の飼い犬に「ウウ,ウー,ガルルル」と聞き込みにまわるのであった.譬えれば巡査と刑事の違いみたいなもんであるが,これは人間の捜査官には不可能な,まさに警察犬にしかできない仕事であるといえよう.
 さて山本号は捜査結果を「ガルル,ウウ,ワンワン」と報告した.ところがこんな評価を受けるのである.
「なに言ってるのか,こっちがわかんねぇだろ!」
 つまりすべての才能は,それ自体に意味はない.他者に向けて表現し,理解されることによって初めて価値を持つ.不条理のようであるが,それが真実であるとしかいいようがないと考えても一概にあやまりだとは言い切れぬことだと言うにやぶさかではないような気もする話である.

 四コママンガなので要約しても短くならなかった.ていうか,むしろ長くなってしまった.高校生の国語参考書で芭蕉の俳句の解説に一ページを費やしていたりするが,あれと似たようなものである.違いますか.そうですか.

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2008年2月12日 (火)

警察犬・山本号(1)

 連休に暇を持てあまして,コミックを買ってきて読んだ.秋月りす『OL進化論(20)』いしいひさいち『フン!』同『いしいひさいち選集39・ライ麦畑でとっつかまえて』の三冊.
『OL進化論』は本屋の棚に一冊だけ(20)があったもの.後でAmazonを調べてみると(27)まで出てるのね.(21)から(27)まではネット通販で買うことにしよう.
『フン!』は初見.山田ののちゃんちの性格が悪い飼い犬,ポチの物語である.ポチが恋をするメス犬が脱力系の顔でとてもいい.他に性格が悪い野良猫も登場する.
『ライ麦畑でとっつかまえて』を読んでいて気がついたのだが,山本という姓がよく出てくる.列記すれば以下の通りである.
* 同志社と関大に合格して関大を選んでしまい後悔してウツ気味の山本くん
* ハラホロ星人に拉致され18年ぶりに地球に帰還した山本さん
* 中国人オレオレ詐欺グループからなまった電話を受けた山本さんちの奥さん
* 人生観試験機でテストを受けた山本和夫
* 警察犬・山本号
* 阪神タイガスの選手・山本田上岩崎くん
* 山本助左衛門(山本但馬)
* 藩が合併する山本藩
* 殿様が浴衣を着ている藩の山本村
* 乱心した剣豪山本無心斎
* 夜盗に押し入られた長者番付19位の山本屋
* 山本うじ
* 江戸留守居役の山本民部
山中とか山田が一,二度出てくるのに対して圧倒的な頻度である.だから何だというと,何でもない.

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2008年2月 7日 (木)

燻蒸説

 昨日の朝日新聞《asahi.com 2008年2月6日 16:49》が次のように報じた.

《中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、5日に河北省石家荘市にある天洋食品の工場を見学した日本政府調査団のメンバーが6日未明、「工場では袋の燻蒸(くんじょう)はしておらず、燻蒸に使われている薬剤も問題になっている殺虫剤ではなかった」と語り、農薬混入の可能性の一つとなっていた「燻蒸説」に否定的な見方を示した。
 このメンバーは燻蒸に使われた薬剤名は明かさなかったが、「毒性は強くない」と話した。》

 おいおい,である.《袋の燻蒸(くんじょう)はしておらず》に,我が国の食品衛生技術者は皆腰を抜かしたと思う.メタミドホス混入原因として日本政府調査団は包装資材の燻蒸なんぞを考えていたのかよ,と.いくら中国が食品の安全に関してむちゃくちゃな国だとしても,包装容器(袋)をメタミドホスで燻蒸するわけがないではないか.
 また《燻蒸に使われている薬剤も問題になっている殺虫剤ではなかった》の部分は,その前で《袋の燻蒸(くんじょう)はしておらず》と書いてあるのに《燻蒸に使われている》ってどういうこと?と読者にとって理解しにくいが,これは朝日の記者が,自分が何を書いているか理解していないからである.
 《燻蒸に使われている薬剤》は,おそらく包装資材を置いてある倉庫内部の防虫処置のことを指している.
 通常,食品工場における防虫のために薬剤を室内空中散布する場合,人に対する毒性がずっと低いピレスロイド系(有機化学的な意味でのピレスロイド以外のものも含む)の薬剤が使用される.これは人が吸入すると刺激性はあるが,かなり安全である.またこの程度の薬剤でも,適当なインターバルをおいて使うことで十分な効果をあげることができる.《このメンバーは燻蒸に使われた薬剤名は明かさなかったが、「毒性は強くない」と話した》というのが,そのことである.
 調査団は,出かける前にイカリ消毒とかアース環境サービスとか,この分野に詳しい専門家の意見を聞かずに中国に行ったとみえる.相談すればただちに「燻蒸説」は否定されたはずだ.間抜けな話である.
 この調査団が何の成果も出さずに帰ってきたことを,中国側は天洋食品に問題がなかったことを示すものだと発表した《asahi.com 2008年2月7日 6:59》.

《中国の国営メディアである中央テレビが6日、全国ニュースで中国製冷凍ギョーザ中毒事件を初めて詳報した。「日本側調査団は製造元の工場を視察し、管理や衛生面で問題がなかったと発表した」というもので、調査団による5日の天洋食品の視察が安全性にお墨付きを与える格好になった》

 中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副総局長は6日,日本人による犯行を示唆したという.中国公安が毒物混入犯人を検挙することができれば,今後も天洋食品製品の我が国への輸入継続はあり得るだろうが,日本人による犯行だと言われては,我が国の企業はもう天洋食品製品を買うことはないだろう.愚かな姿勢という他ない.

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2008年2月 5日 (火)

大衆

 知人らから聞いた話.
 中国産毒ギョーザ事件でJT社に消費者からものすごい数の非難電話が殺到しているのは当然として,同社に無関係であるが社名あるいはその略称の先頭にJがついている会社にも,消費者窓口にクレーム電話が押し寄せているらしい.
 クレームとはいっても,件のギョーザを買ったわけでも食べてしまったわけでもない人達が電話で「けしからん」と怒鳴りつけてくるのである.
 それらのクレーム電話の応対記録を読ませてもらうと,その勘違いぶりに笑えるが,電話を受けた方はたまらない.いくら違う会社だと説明しても,相手はコーフンしているので聞く耳を持っていない.延々と罵倒を続けるのだ.数十分間も怒鳴り続けた例もあるらしい.
 相撲の朝青龍のサッカー騒動とか私刑事件の時もそうだったと,相撲関係の業界にいる友人から聞いた.相撲協会と無関係ではないが,別にそれらの事件に何の責任もない会社やお店にクレーマー達が電話攻撃をしたという.

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2008年2月 3日 (日)

商魂恵方巻

 毎年この時期になると不愉快に思うのが「恵方巻」である.食い物を作って売りつける側としては,火のないところに色々と煙を立てて商売しなけりゃならんわけで,そのように一般庶民が無理矢理な商魂に踊らされた典型例がバレンタイン・デーのチョコと,この恵方巻だからである.
 でも私はバレンタインのチョコは許す.例えば少女が,好意を寄せている男の子にチョコを手渡す光景は,想像するだに微笑ましいではないか.また例えばOLが,職場のおやじ上司の机の上にチョコを放り投げるようにして置いておくという光景もうるわしい.少し違いますか.そうですか.
 だが恵方巻は断じて許さぬ.恵方巻を食えとウチの社長に命じられても私は従わない.なぜかというと,全然微笑ましくないからである.太巻きにかぶりついているのを横から見ると,間抜け以外の何者でもない.下品でもある.女性達は恵方巻の不買運動に立ち上がるべきである.かなり違いますか.そうですか.
 その恵方巻だが,九州は博多辺りで妙なものが流行っているとか.クレープ,ロールケーキ,和菓子,サンドイッチにも 恵方巻が登場したと asahi com 2008/2/3 に出ていた. その asahi com の記事で,武野要子・福岡大名誉教授(御専門は貿易史)という方が《博多は日本最古の国際貿易都市で、町人たちは外来文化を採り入れ、育ててきた。そうめんやまんじゅうも唐菓子を博多で変化させ、定着した。そんな伝統が今も生きているのでしょう》とコメントしておられるので,爆笑した.
 恵方巻と外来文化の変化・定着とに何の関係があるのか,私にはまったくわからぬ.この名誉教授は恵方巻がどんなものだか,ご存知ないのではないか.
 と,ここまで書いてフト思ったのだが,小倉トーストの発症の地,違う,発祥の地である食の魔境・名古屋はどうなっておるのか.喫茶店のモーニング・サービスかなんかで,とんでもない恵方巻が既に提供されているのではないか.私は名古屋に出張する機会がないので確かめる術のないのが残念である.

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ウケねらい

 おもしろければ何でもいい,というのが昨今の風潮で,これはテレビに限ったことではない.政治の場面では,大阪府知事選で次期知事にタレントの橋下徹氏が当選したのもそうだ.この人,選挙前にマスコミの取材で政策を訊ねられて,大阪府政と大阪市政の違いを理解しておらず,出来のよい高校生程度の行政知識しかないことが明らかになってしまったのだが,大阪府民は全然お構いなしにこの人を圧倒的に支持してしまった.こういうのを「おもしろければ何でもいい」というのである.

 山口県岩国市では,在日米軍再編に伴う米軍空母艦載機の岩国基地への移転に関して,これに反対する井原勝介・前市長が二年前に住民投票を実施し,圧倒的な「移転反対」の支持を得た.ところが移転容認派が多数の議会と対立して昨年12月に辞職し,現在市長選に再び立候補している.
 移転容認派は福田良彦・前自民党衆院議員を井原氏の対立候補に推しているが,橋下徹氏が先月31日,福田候補を支持することを報道陣に明らかにした.
 この時の報道取材で橋下氏は,井原氏が行った住民投票に関して《国の防衛政策に地方自治体が異議を差し挟むべきでない》《直接民主制の住民投票の対象の範囲は、間接代表制をとる日本の法制度上、制限があると思う》と批判した.(《》はasahi.com 2008/1/31 からの引用)
 これに対して井原氏は1日,《記者会見で「主権者である市民、国民が国政にものを言うのは当然だ。大阪でこういう問題が起きれば、国策だから府民の声は聞かないということなのか」と反論した》 (《》はasahi.com 2008/2/1 からの引用)
 続いて橋下氏は《憲法が間接代表制をとっている以上、住民投票の対象も絞られるべきだ」と述べ、橋下氏の発言に反論した前岩国市長の井原勝介氏について「もう少し憲法を勉強していただきたい」と痛烈に批判した》(《》はasahi.com 2008/2/1 からの引用)

 で,何が言いたいかというと,橋下氏の《もう少し憲法を勉強していただきたい》である.
 この人が軍備や核武装に関して日本国憲法と反対の立場に立つことはよく知られている.その人物が《もう少し憲法を勉強していただきたい》と発言すれば,きっとマスコミは喜ぶ.そんな計算の上でのウケねらい発言であろうと思われる.いかにも軽薄タレントの考えそうなことだ.大丈夫か大阪.

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中国産毒ギョーザ2

 私は以前,中華惣菜を作る会社に関係していたことがあるので多少の知識があるのだが,加工食品としての冷凍ギョーザの製造工程は,大雑把にいうと野菜や肉などの原料を細かく裁断して混練した具材(業界用語で「練り」という)の製造工程と,皮の製造工程,それから練りを皮に包み込む工程,蒸して加熱する工程,冷却・冷凍する工程,最後に包装する工程から成る.(特殊な商品では加熱工程がないこともある)

 今回問題となっている中国製ギョーザの場合,どこでメタミドホスが混入されたかを考えてみる..
 まず注目すべきは,被害がピンポイント的であるということだ.事件が報道される前にコープネットが把握していた同商品に関する異味異臭クレームはわずか二件であるという.事件のマスコミ報道後に厚生労働省は,中国産冷凍食品で1000人ほどの健康被害の訴えがあったと発表したが,今回の事件とは無関係と見られる.
 報道された天洋食品の製造能力から考えて,具材と皮の製造設備は割と大型で,しかも混練工程であるからして,ここにメタミドホスを投入すると大量の汚染製品ができてしまう.被害がピンポイント的であること,これまでに回収された同一製造日の製品からはメタミドホスが検出されていないことも考慮すると,この両工程だとは考えにくい.
 可能性が高いのは,蒸す工程以降である.製造工程のこの部分には,作業者の手指を消毒するのに使用する小型のアルコール噴霧器が多数ある.昔々,アイロンがけする時に水をシュッシュッと吹きかけるのに使ったあれである.
 事件の犯人は,作業現場に密かに持ち込んだメタミドホスを,この噴霧器に入れて溶かしたものと私は推理する.あとは人目につかぬように製品に吹きかければ犯行の完成だ.これが犯人の立場で考えた一番やり安い方法である.
 日本のマスコミの報道では,まだ中国側の警察捜査は伝えられていない.これは食品衛生管理の問題ではなく,刑事事件であると断定してよい.私だけでなく我が国の食品衛生の技術者はすべてそのように感じていると思う.真相にどこまで迫ることができるか,中国側の動きが注目される.

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2008年2月 2日 (土)

うるさいんだからもう

 先程,昼飯を食いながらニッポン放送の『アッコのいいかげんに1000回』を聴いていたら,西麻布とかお初天神で『わだ屋』をやっている和田アキ子が,自分の店の従業員教育を自慢していた.
 店員教育のどこが自慢かというと,彼女が言うには『わだ屋』では客が「おいしい」とほめた場合,従業員が声を揃えて「おいしい頂きましたあーっ」と言うのだそうだ.「おいしい頂きました」って何じゃそれは.「おいしいとおほめ頂きました」の勝手な省略のつもりか.『問題な日本語』もここまでくると,情けなくて腰からへなへなと力が抜ける.

 コンビニのバイト店員の言葉遣いが問題となるその少し前じゃないかと思うのだが,接客業における日本語崩壊のきざしを居酒屋チェーンで感じた.例の「よろこんでっ」だ.
 店が混んでくると間断なく店内に絶叫が響き渡ることになる.
「えっと,とりあえずビールね」
「よろこんでっ」
「串焼き盛り合わせ」
「よろこんでっ」
「それからモツ煮込み」
「よろこんでえっ」
「ここタバコ吸っていい?」
「よろこんでえーっ」
「トイレはどこ?」
「よろこんでえーーっ」
まことにうるさく迷惑なことこの上ない.おまいら喜んでるかも知らんがこっちは嬉しくもなんもないのである.

 私が思うに,客が料理をほめたらお運びさんがにっこり微笑んで
「ありがとうございます」
でよろしい.「おいしい頂きましたあーっ」などと独りよがりもいいかげんに1000回.

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中国産毒ギョーザ

 工場従業員が悪意に基づいてメタミドホスをギョーザの製造工程に投入した…これが事件の第一報が流れた時からの真っ黒けのホンスジであるわけだが,千葉県警はまっしぐらにその線を追っているようだ.マスコミが繰り返し「残留農薬の可能性は薄い」と報道していたのは,中国当局の出方をみていたのだと思われるが,どうやら政治問題化するおそれはないようなので,これまでのような奥歯にもののはさまったような報道は減るだろう.ただし中国のネット上では「日本に謝罪を要求しよう」などいう書き込みがあるとの報道もあるが.
 さて昨日の日経新聞は,日生協が既に2002年の7月,開発段階であった問題のギョーザからメタミドホスを検出していたことについて《基準値を下回る量だっために問題視しなかったという》と書いた.推測するに基準値ではなく検出限界値ではないかと思うが,情報源は日生協しかないわけだから,もしも日経の報道通りだとすると,日生協の責任大である.他紙の報道が待たれるが,どこも続かないとすれば日経の誤報ということになる.どちらなのか.

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